| お答えします |
桜井 普子(さくらい・ひろこ)さん
平川動物公園・獣医師 |
−羊水とり、きずな確認−
動物の赤ちゃんは、お母さんのおなかの中にいるとき、赤ちゃんを守る膜(まく)に包まれていて、その中に「羊水(ようすい)」と呼ばれるぬるぬるした液が入っています。
生まれたばかりの赤ちゃんの体は、羊水でぬれていて、それが口や鼻につまっています。そこで、口や鼻についている羊水をなめとり、息ができるようにしているといわれています。
赤ちゃんは体温を調節する機能が十分に発達していないので、羊水で体がぬれていると、体温が下がり、体力を使うので、羊水のぬるぬるをふきとる役割もあります。
また、羊水のにおいに反応して外敵が集まるのを防ぐ役割があります。外敵から身を守るため、生まれたときに一緒に出てくるへそのおや膜を食べてしまう動物もいます。
そのほかにも、親子でにおいをかぎあったり、鳴き声を聞いたりして、親子のきずなを確認する作業であるとされています。
キリンなどの草食動物は、肉食動物から身を守るため、生後1−2時間で立ち上がります。そのときに、親がなめると、赤ちゃんががんばって立とうとします。生まれて間もない赤ちゃんに親が思いを伝える手段の一つにもなっているのではないでしょうか。
親が赤ちゃんを口でくわえて運んでいるとき、かまれている赤ちゃんは痛くないかという質問ですが、痛くないように加減(かげん)しているので、痛くありません。かむところも、首すじなどひふに余裕(よゆう)があって、かんでも痛くないところを選んでいます。
運ばれているとき、赤ちゃんは手足をぎゅっと丸めて、親の動きのじゃまにならないようにしています。痛くないように、じゃまにならないようにと、親子で互いに思いやって行動しているんですね。 |