| お答えします |
山下 秋厚(やました・しゅうこう)さん
鹿児島国際大学非常勤講師 |
−オスがメスに乗って交尾−
透君えらいなあ。オンブバッタの特徴(とくちょう)をよく観察していることに感心しました。まずは、オンブバッタの体の大きさを測ってみましょう。ふつう、メス約4センチ、オスは約2センチ。メスはオスのほぼ2倍です。透君のバッタもメスが小さなオスをせおっていたんです。その姿が子どもをせおっているように見えたからオンブバッタという名がついたのです。
さて、オンブバッタはどうしておんぶするのかについてです。オンブバッタのオスはメスを探し、メスの背中にとび乗り交尾(こうび)をします。オンブバッタに限らずトノサマバッタ、イナゴなどのバッタ類は、交尾のときにオスがメスの背中に乗ります。また、交尾をしていないのにメスの背中にただ乗っていることもあります。オンブバッタは、おんぶの時間が数時間から10時間と、ほかのバッタより長いのが特徴です。
次に、ぴょんぴょんとんでもオスが落ちないのは、おんぶの仕組みにひみつがあります。オンブバッタにはメスにもオスにも羽があります。トノサマバッタなどにも羽があり、広げて遠くまでとんで逃げますね。でも、オンブバッタは羽があるのに飛ばないのです。
背中に乗っているオスの前足と中足の様子を見てごらん。関節を直角に曲げて、メスの体をしっかりとはさんでいますね。さらに、足の先にはやわらかく平たい手のひらのような爪間盤(そうかんばん)があり、その付け根の両側に爪(つめ)というとがったかぎのようなものがついています。それでしっかりとメスの体にしがみついています。ですから、ぴょんぴょんととんだだけでは落ちないのです。
この発想を生かして、消防士さん、建設業の人などに役立つ新しい道具をつくりだすこともできそうですね。これからもみなさんが、自然現象に興味(きょうみ)をもって観察し、ふしぎを発見することを期待しています。 |