| お答えします |
花田 健郎(はなだ・たけろう)さん
鹿児島中央青果商事部輸入課長代理 |
−低温障害で細胞壊れる−
拓己君、買ったばかりの熟(う)れる前のバナナを冷蔵庫に入れてはダメですよ。バナナは暑い所で育ったので冷蔵庫はきらいです。13、4度以下になると、皮の表面の細胞(さいぼう)が壊(こわ)されて変色して、徐々にくさり始めます。これを低温障害(しょうがい)といいます。熟成(じゅくせい)も止まってしまい、おいしく食べられません。マンゴーやパイナップルなど熱帯(ねったい)や亜熱帯性の果物は、それぞれ温度はちがいますが、低温で質が落ちるので気をつけてくださいね。
ところで、南国産のバナナがなぜ熟れる前に、店にならぶのでしょう。フィリピン産バナナを例に紹介(しょうかい)します。収穫(しゅうかく)されたバナナは検査(けんさ)の後、鮮度(せんど)や品質を保つため荷室の温度が13、4度に設定(せってい)された専用(せんよう)船で日本にやってきます。熟れたバナナは病害(びょうがい)虫がつきやすいので、法律(ほうりつ)で熟れる前の青いバナナしか輸入(ゆにゅう)できないように決まっています。
青くてかたいバナナを黄色く熟(じゅく)させるには、室温が18−20度の室(むろ)に入れます。バナナはエチレンというガスを出して自分で熟していきますが、ほうったままだと熟れるまでに日数がかかったり、かたいしんが残るなど熟成具合に差がでます。色のりを早くきれいに仕上げるためには、室に人工的にエチレンを入れて熟成を誘発(ゆうはつ)させます。出荷日に合わせほどよく熟れるように温度管理するには、長年の経験と勘(かん)が必要です。
熟していくバナナを長持ちさせるには、1本ずつばらしておいたり、キズがつかないようにスタンドなどにかけて、13、4度の所に置いてください。店で売られているバナナは、全体が黄色で両端(りょうはし)が緑色で見た目は美しいのですが、熟成がたりず甘味が少なめです。全体がまっ黄色で茶色い斑(はん)点(シュガースポット)が多くあることが熟成した証拠(しょうこ)。見た目は悪くても最も甘く栄養価(か)も最高です。
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