| お答えします |
西井上 剛資(にしいのうえ・つよし)さん
輝北天球館館長 |
−目の錯覚 本当は同じ−
東の空に昇ってきた満月はとても大きく見えますね。満月のほかに、日の出や日の入りのころの太陽も大きく見えたことはありませんか。空の高いところにある太陽や月は大きく感じませんが、水平線近くにあるときは大きく感じます。
地球から1億5000万キロメートル離れた太陽と、38万キロメートルのところにある月の見かけの大きさはほとんど同じです。
それでは、本当に大きさの違いがあるのか、五円玉を使って大きさを調べてみましょう。肉眼(にくがん)で太陽を観察(かんさつ)するのは危険ですから満月で調べましょう。
五円玉を持って腕(うで)を伸ばし、満月にかざします。すると、水平線近くにあるときも頭上にあるときも、満月は五円玉の穴の大きさくらいになります。意外に小さく感じますね。水平線近くの太陽や月が大きく見えるのは、実は私たちの目の錯覚(さっかく)なのです。心を研究する心理学では、これを「錯視(さくし)」と呼んでいます。
錯視がどうして起きるかはっきりしていませんが、低い空にある月の場合、次のような理由が考えられています。1つは、月や星がある丸天井のような空(天球)が、天頂方向(頭の真上)は水平方向より近くに感じるため、天頂付近にある月は小さく見えるという考え方です。もう1つは、水平線近くにある月は、その大きさを比べるもの(山や建物など)があるため大きく見えるという考え方です。
ところで、月や太陽に限らず、星座でも同じような錯視が起きるようです。低い空にある星座は大きく、高く昇ると小さく感じられるのです。この時期、冬の星座のオリオン座は、夜7時ごろに東の空の低いところにあり夜中には南の空高く見えます。実際の夜空で見え方に違いがあるか確かめてみてください。
先日、月探査機「かぐや」から「月から見た地球」の映像が送られてきましたが、きっと、月にいると月の地平線近くに大きな地球が見えていることでしょう。 |