2008/04/22 本紙掲載
東出水小4年(出水市)
龍本 椿(りゅうもと・つばき)さん
| 学校で「豆乳に『にがり』を入れると固まって豆腐ができる」と習いました。どうして「にがり」を入れると固まるのですか。また「にがり」って何ですか。 |
| お答えします |
岩切 真悟(いわきり・しんご)さん
豆腐メーカー「いわきり」専務 |
−にがりがタンパク質“接着”−
確かに豆乳も「にがり」も液体なのに、混ぜると固まって豆腐になるのは不思議ですね。その仕組みを説明する前に、まずは「にがり」とは何かということから話を始めましょう。
「にがり」は海水から塩(塩化ナトリウム)を採(と)った後の残留物から産出されたもので、食品添加物(てんかぶつ)としては「粗製海水塩化マグネシウム」と呼ばれています。主成分はもちろん塩化マグネシウムで、昔から豆腐の凝固剤(ぎょうこざい)として使われていました。最近では健康食品としても注目されています。
では、「にがり」を入れると豆乳が固まるのはなぜでしょうか。豆乳は大豆を原料に作られますので、豊富なタンパク質を含んでいます。大豆のタンパク質は水に溶けやすく、その分子(物質を作っている非常に小さな粒)は豆乳の中を自由に動き回っています。このように分子が自由に動いている状態が液体です。
一方、「にがり」の液中には、マグネシウムと塩素がそれぞれ「イオン」という形で存在しています。このうち、マグネシウムイオンはタンパク質分子を引きつける性質を持っており、複数のタンパク質分子を次々につないでいきます。いわばタンパク質の“接着剤”の役割を果たすわけです。
“接着”されて大きくなったタンパク質分子はもう自由に動き回ることができません。タンパク質分子の動きが鈍るにつれて豆乳は固まっていき、豆腐になるのです。同じような仕組みで豆腐を固める添加物には、ほかに硫酸カルシウム、グルコノテルタラクトン、塩化カルシウムなどがあります。
私たちは主に「にがり」を使って豆腐を作っていますが、実は「にがり」は数ある凝固剤の中でも固まる時間が速く、均質な豆腐を作るには技術が必要となります。そのため、鹿児島県内で「にがり」を使った豆腐の製造ラインを持っているメーカーは少ないんですよ。 |
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