風景(滝)

伊佐郡菱刈町の川内川湯之尾滝で恒例のこいのぼりの滝のぼりが始まった。赤、青、緑、色とりどりの400匹のコイが元気に泳いでいる。ごう音をとどろかせ、勢いよく流れ落ちる滝の上を、風いっぱい吸い込むこいのぼり。約80メートルの川幅、滝のしぶきを力水のように浴び、競うように泳ぐさまは壮観だ。(平成9年4月7日)
平成10年7月17日、曽於郡財部町下財部の温泉センター隣接地に「いきいき親水公園」がオープンした。自然石を模した巨大な人工滝「ウオーターカーテン」を中心に、気軽に水浴びが楽しめる「じゃぶじゃぶ池」、全長28メートルのウオータースライダーなどが好評で、大勢の家族連れでにぎわっている。公園の面積は16000平方メートル。芝生の広がる園内を水路が巡り、流れに沿って散策路が設けられている。ウオーターカーテンは幅約25メートル、落差は4メートルあり、滝の内側の廊下を通ると流れ落ちる水のしぶきが間近に迫って涼味も満点。水は地下100メートルからくみ上げており、毎分1トンの水量がある。
昔、錫山鉱山のはずれに、和尚と小僧と稚児が住んでいた。和尚が稚児ばかりかわいがるので、それをねたんだ小僧は、稚児に卵盗みの罪を着せた。稚児は一言も弁解せず、白い鶏を抱いて滝に身を投げた。以来ここを稚児ケ滝と呼ぶようになり、村では白い鶏は育たないといわれてきた。―悲しい伝説とは裏腹に、滝は金色の稲穂が揺れる奥で、草木や魚、昆虫の生命をはぐくんでいた。(平成10年10月)
曽於郡財部町大川原峡にある桐原の滝。溝ノ口川の源流である十数本の瀑布(ばくふ)が、ゴウゴウと音をたて、12メートルの高さから水しぶきを飛ばしている。平成7年、周辺を公園化したさい、滝の下流に、曲がりくねったコンクリート製の歩道が渡された。ゴールデンウイーク中の公園。大勢の家族連れらが、清流で釣りや水遊びを楽しんでいた。(平成11年5月)
うっそうと生い茂る木々の間から、かすかな木漏れ日に照らし出される。川内市百次町のあさつけ(麻漬)の滝。地元川内の人たちも多くは知らないこの滝に来ると、身体にこたえる冬の寒さが逆に、身体のしんを浄化してくれるような気がしてくる。県道川内郡山線の山中バス停近くから林道に入る。山道を串木野市の冠岳方向に自動車で10分以上のぼる。特に目印もない林道のわきに車を止め、そのまま雑木林のがけを続けて10分ほど、恐る恐る下ると、やがて滝つぼに落ちる水の音が聞こえてくる。高さ約16メートル、幅80センチ。流れは串木野市の冠岳から、川内川の支流、百次川に続く。流量は多くないが、透明度は抜群だ。訪れる人はほとんどおらず、思索の場所にはもってこいだ。(平成12年12月)
姶良郡加治木町の竜門滝を彩るライトアップの明かりが、冬用に装いを変えた。暖かみのあるオレンジのライトに、流れる滝が浮かび上がり、幻想的な風景となっている。(平成10年11月13日)
大量の水が白い帯となって落差88メートルの断崖(だんがい)を一気に流れ落ちる。世界遺産の島・屋久島西部にある大川(おおこ)の滝。周辺は深い緑が覆う。滝の真下まで歩くと、にぎやかだったセミの泣き声は、水のごう音にかき消され、聞こえない。滝の正面にある高さ約5メートルの巨岩に登り、滝つぼをのぞくと、ひんやりとした水しぶきが下から吹きつけてくる。「ひと月に35日雨が降る」といわれ、山岳部の年間降水量が約8000ミリを超える屋久島は、まさに森と水の島だ。島内の滝は、140以上を数えるという。その中でも落差、水量とも最大級といわれるのが大川の滝だ。(平成11年8月)
所在地が分かりにくいが、蒲生町の中心部から漆方面へ続く県道沿いに小さな看板が立っている。川岸に降りる道は整備されておらず、倒木や雑草が生い茂る。頑張って下ると目の前に滝つぼが広がり、その向こうに二筋の滝が見える。3メートルほどの高さ。向かって左の滝は水量が多く力強い。右側は岩を回り込むように控えめに流れる。まるで仲の良い夫婦のよう。晴れた日は水しぶきが光り、風が気持ちいい。(平成20年2月)
薩摩郡下甑村青瀬にある瀬尾の滝のライトアップが始まった。樹齢100年を超すアコウなどの木々の中に滝がぽっかりと浮かび上がり、幻想的な空間を作り出している。滝は3段になっており、近くに観音が祭られていることから「観音三滝」とも呼ばれる。最上部からの高さは55メートルで、照明が当てられているのは3段目(約16メートル)の部分。夜が深まるとともに照明がやみの中で輝きを増し、しぶきや辺りに響く水の落ちる音が涼感を誘う。(平成12年7月1日)
第6回水と緑の交流会が平成11年8月1日、日置郡郡山町の神之川轟滝であった。県内各地から家族連れら約100人が参加。滝の水音が響く中、カヌー体験や水上相撲で、自然と涼を満喫した。交流会は平成5年の8・6水害をきっかけに、水と緑の重要性を再認識しようと同町の町おこしグループ郡山マグニチュード21などが作った「かごしま水と緑の委員会」が企画。カヌーやいかだを無料で提供し、毎年8月に川遊びを催している。
薩摩川内市の景観重要資産第1号の藤本滝が、お盆に合わせライトアップされている。糸を引くような流れが闇に浮かび上がり、幻想的な雰囲気を醸し出している。落差およそ20メートル。2段の滝を400ワットのライト2機が照らす。藤本農村公園から遊歩道を歩き、滝つぼ近くまで行くことができる。(平成23年8月14日)
猛暑が続く奄美の夏。気軽に涼を求められる場所を見つけた。国道58号から宇検村役場に向かう県道の新小勝トンネルを抜け、すぐ右手の集落に入る。そのまま奥に向かって約700メートル。シイなどの深い森の中から、豪快な水しぶきが見えてくる。巨岩を滑り台代わりに滝つぼに飛び込んだり、糸と針を上手に使いタナガや小魚を釣る子どもの笑い声が響く。霊峰・湯湾岳(694メートル)を水源に持つ、水量豊富な約30メートルの滝。「アランガチ」と読む。奄美大島には、ほかにも立派な滝があるが、車のアクセスの良さはここに軍配が上がる。(平成19年7月)
「日本の滝百選」の一つ、都城市の関之尾滝がライトアップされ、真夏の夜に涼感を漂わせている。住民でつくる実行委員会による点灯式が平成17年7月23日あった。打ち上げ花火とともに高さ18メートル、幅40メートルの滝が、くっきりと現れた。
高山町の二股川キャンプ村近くの国有林の中に、地元でもあまり知られていない美しい滝がある。最近、地元民が「清純(せいじゅん)の滝」と命名し、案内板を立てた。キャンプ村と甫与志(ほよし)岳登山口の間に位置し、気軽に足を延ばせる場所にあることから、国見山系を楽しむ登山者が憩う名所になりそうだ。滝の案内板は、二股川キャンプ村前から甫与志林道を2.5キロ上った所にある。そこから約200メートル、ほぼ平坦な山道を歩くと、高山川の源流にかかる滝が見えてくる。高低差、幅ともに20メートル、豊かな照葉樹林の中、スギゴケなどが青々と生える5段の石のひさしを清流が流れ落ちる。(平成14年5月)
肝付町市街地から県道を東串良町方向へ走り、波見交差点を右折、1キロほどすると雄大な姿を現す。肝属川水系の荒瀬川にあり、豊富な水量を誇る。滝は3段からなり、清流からほとばしる水しぶきが暑さを忘れさせてくれる。うっそうと生い茂る樹木が日陰をつくり、週末や夏休みには町内外から多くの親子連れが訪れ、水辺で涼を満喫する姿がみられる。滝付近では、漫画「ゲゲゲの鬼太郎」でおなじみの妖怪「一反木綿」が出没するとの言い伝えもある。高山郷土誌によると、夕方薄暗くなるころ、どこからともなくひらひら飛んでくるとか。(平成18年7月)
大口市の曽木の滝が平成10年11月7日夜、幻想的に浮かび上がった。平成2年以来8年ぶりに行われたライトアップ。やみの中に照らし出され幅210メートル、高さ12メートルの大滝は、訪れた家族連れらを魅了した。ライトアップは曽木の滝公園もみじ祭りの目玉として市観光協会などが企画。午後6時半すぎ、投光機で照らされた水量豊かな滝は白く輝き、巨岩の陰影と見事なコントラストを描いた。展望所は若者のカップルらがひっきりなしに訪れ、年に一晩だけのイベントをカメラに収めていた。
コイ400匹が滝のぼり〔湯之尾滝〕
涼誘う水のカーテン/財部・親水公園
悲しい伝説〔稚児ヶ滝〕
清流の「ひしゃく」〔桐原の滝〕
体のしん清める思索の場〔あさつけの滝〕
暖色に染まる白糸、竜門滝をライトアップ
世界遺産の歴史凝縮〔大川の滝〕
静かに寄り添う夫婦滝〔広木の滝〕
幻想空間で涼誘う〔観音三滝〕
轟滝で水と緑の交流会
夜滝幻想〔藤本滝〕
落差30メートル、豪快な水しぶき〔新小勝の滝〕
夏の夜に涼感たっぷり〔関之尾滝〕
隠れた景勝〔清純の滝〕
豊富な水が涼つくりだす〔轟(とどろ)の滝〕
曽木の滝、8年ぶりにライトアップ