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'08/01/29 本紙掲載 
センバツ初陣鹿工 いざ甲子園
(下) 主砲の成長で信頼感
 チームの主砲中道優輔は昨秋の九州大会県予選で、強豪相手に打ちまくった。準決勝の神村学園戦は2長短打で2打点。決勝の樟南戦はホームランを含め3安打3打点。「この打者には投げるとこがなかよ…」。観客席では対戦校のOBのぼやく声が漏れた。
 6割近い打率を残し、チーム全打点の半分近くをたたき出す活躍。中道は「自分の役割を果たすことだけ考えていた」と淡々と振り返るが、中迫俊明監督は「心強い4番に成長してくれた」と目を細める。
頼れる4番に成長した中道優輔
 180センチ、80キロのがっしりした体。左打席でどっしりと構える姿は、大リーグ・ヤンキースで活躍する松井秀喜選手を思わせる。新チームになってから公式戦13試合で4割5分8厘、高校通算本塁打14本。もともとパワーはあったが引っ張り専門。外角が得意ではなかった。
 昨春の九州大会県予選3回戦で神村学園に大敗。チームは相手エースが投げ込む外角球に対応できなかった。そこで中迫監督は全打者に外角打ちを徹底練習させた。引っ張らずに逆方向へ。2カ月間打ち込ませ、練習試合でも勝敗は度外視。全打席で逆打ちを指示した。「最初は当てただけの力のない打球だったが徐々に鋭い振りができるようになった」と中迫監督。
 これが中道には大きかった。「それまで外角は見逃すことが多かったが、自然に体が反応するようになったんです」。長打を警戒する投手はまず外角に投げてくる。それを左中間方向にきれいに流してとらえれば、次は内角で勝負せざるを得ない。その甘い球をパワーで長打に。打てるゾーンが広がり“投げるとこがなか”4番に育った。
 だが昨秋の九州大会では悔しさも味わった。準決勝の沖縄尚学戦は無安打。得点圏に走者を置いた場面で3度打席に入ったが凡退した。「打てる球を力んでしまった」。今は90メートルダッシュ50本など投手陣と一緒に走り込み下半身を鍛える。
 2006年夏の甲子園で代打の切り札として「シャーッ」の雄たけびで全国的に注目を集めた今吉晃一や、5番打者今吉健志と同じ喜入中出身。先輩の活躍に続くつもりだ。「甲子園でも走者をかえす4番の役割を果たす。できれば沖縄尚学からホームランを打って借りを返したいです」
 主砲の成長で、チームには「クリーンアップの前に走者を出せば何とかなる」という信頼感が生まれている。「長打は狙っていない。四死球でも振り逃げでも何でもいいので塁に出ることだけを考えています」と1番打者の大當琢朗。
 そこで生きるのが足を使った攻めだ。レギュラーのほぼ全員が50メートル6秒台で走る。特に大當や2番福迫雄治、9番大重貴寛は6秒前半と俊足がそろっている。「セーフティーバントや盗塁はもちろん、相手捕手がはじいたらGO(走れ)。そんな積極的な走塁を磨きたい」と中迫監督も課題に挙げている。12月からはスパイクの代わりに地下足袋で練習。足の裏の筋肉も鍛えている。春には多彩な“足攻”が見られそうだ。


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