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2007 目指せ!甲子園 第89回全国高校野球鹿児島大会
第89回全国高校野球鹿児島大会総評
 第89回全国高校野球鹿児島大会は、第4シード神村学園が創部5年目で初優勝し、幕を閉じた。雨や台風で日程が延び、各チームは調整に苦労したが、昨夏に比べ波乱は少なかった。大会18日間を振り返った。
夏の甲子園に初出場する神村学園=23日、県立鴨池

■4強に私立勢3校
 混戦が予想された今大会だったが、4強は第1−4シード校が順当に勝ち上がった。それも公立勢が3校を占めた昨夏とは一転、私立勢が3校。特に神村、樟南は昨夏、シード校ながら初戦敗退していた。悔しさを糧に私立勢が巻き返した大会となった。
 神村は大会序盤はミスも多かった。試合ごとにヒーローが生まれ、攻守に地力を発揮した。決勝での逆転サヨナラ劇は36年ぶり。エース盛の粘りと、勝負強い打線を武器に、接戦を確実にものにした。最後まであきらめない執念も見事だった。2年前の決勝で、3点リードしながら9回に逆転負けした雪辱を晴らした。

■伝統校も存在示す校
 鹿児島実はエース川口の好投と、堅守が光った。決勝は安打数では上回り、終盤に1度逆転。そつのない全員野球を見せ、甲子園常連校の復活を印象づけた。
 樟南は、準決勝で鹿実と6年ぶりとなる直接対決。伝統校同士の一戦は互いの意地がぶつかり合い、見応え十分だった。鹿児島商は、昨秋から県内公式戦無敗で迎えた最後の夏だった。エースで4番の福岡が投打に活躍したが、春夏連続の甲子園はならなかった。
 また、日本高野連が野球特待制度実施校に対し、該当選手の対外試合を1カ月禁止。対象校の戦いぶりも注目されていた。県内の対象の私立10校はすべて初戦勝利。実戦不足を乗り越え、健闘した。

■奮闘見せた離島勢
 梅雨や台風で5日間順延した。雨天中断の影響でナイター試合もあるなど、天候に泣かされた。
 各チームが調整に苦労する中、奮闘したのが離島勢。中でも徳之島・徳之島農・新設徳之島(徳之島連合)は、長期滞在を強いられながら、徳之島勢として27年ぶりに8強入りした。大島北や古仁屋といった小規模校も目標の大会2勝を挙げた。喜界は初戦、9回に3点差を追いつき、延長サヨナラ勝ちする粘りは圧巻だった。沖永良部は第8シード鹿工に1度は逆転、中種子も第1シード鹿商から先取点を奪った。また大島と大島北、徳之島連合と樟南二の同島対決もあり、力の入った好勝負を繰り広げた。

■好投手の健闘光る
 好投手が多く、締まった試合が多かった。2回戦で、薩南工の右腕中野と鹿児島城西の右腕寺地は息詰まる投手戦を演じた。決勝点はスクイズの1点のみ。鹿児島玉龍の右腕丸山は力強い速球が光った。鹿児島南の山ケ城はスライダーの切れが抜群。第1シード鹿商を苦しめた。隼人工の西優は初戦で5回無安打無得点。鹿屋中央の左腕礒口も初戦、得意のカーブを武器に7回無安打無得点を達成した。
 打者に目立った選手は少なかった。鹿工の4番中道は左右に打ち分け、2試合連続本塁打。2年生だけに今後が楽しみ。神村の4番鶴田も2年。鹿実の5番前田は3回戦で1試合2本塁打を放った。

■さらなる底上げを
 昨夏に比べ、波乱は少なかった。強豪校が昨夏を教訓に、初戦から油断することなくプレーしたことも背景にある。群雄割拠の混戦状態に変わりはないが、全体的なレベルアップも感じさせた。栗野工は12年ぶりに念願の1勝。試合後の笑顔が印象的だった。多くの双子選手も活躍した。
 ただ勝負どころのバントミスや失投、中継プレーの乱れなども見受けられた。1、2年生がレギュラーに多い若いチームも目立つ。秋には鹿児島で九州大会が開かれる。地元開催のため出場枠も広がる。来春の甲子園につながる大会でもある。さらなる底上げを期待したい。


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