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文部科学大臣賞

田上小 鹿児島市

日常生活 素直に表現

 1年生から6年生まですべての学年が入選以上を獲得し、3年ぶりに最高賞を受賞した。中村洋志校長(60)は「3年ぶりの受賞より、みんなの力が底上げされ、総合力で受賞できたのが一番よかった」と目を細める。
 国語担当を中心に、すべての教師が協力して表現力育成に取り組んでいる。児童が書く毎日の生活ノートが指導の基本だ。担任が丁寧に読み、コメントをつける。普段の生活から題材になりそうな出来事や話題を拾い上げ、何げない一文からも子どもの本当の思いや言葉を広げていく。「書くこと」に対する家庭の関心も高い。本年度は夏休みに保護者向けの作文指導教室を初めて実施し、盛況だったという。
 家族や地域活動など日常を描いた作品が目立つが、それぞれの個性がきらりと光っている。特別賞を受賞した2年の北村かずゆき君は「何でもできる」兄に対する思いを飾らない言葉で、一席に入った5年の今村浩介君は働く母親に代わり授業参観に来てくれる高齢の祖母への感謝をユーモアを込めてつづった。今村君は「日ごろ口にできない思いを書くことができた。祖母が喜んでくれたのが、うれしい」と話す。
 国語主任の西郷喜子教諭(38)は「思いを言葉にすることは、国語だけでなくすべての基本。どの子も自分の思いを表現する力がついてきた」と手応えを語った。


優秀賞

上場小 湧水町

ミニ校の良さ生かす

 全校児童24人。複式学級だから授業中は気を使う。思いきり声を張り上げて朗読する機会をつくるため、毎朝全児童が職員室に集まって朝読みをしている。作文を掲示し、互いに「素晴らしい」と思った部分にシールを張り合う。「とっておきの話」タイムでは友達の前で言葉を選びながら話す。新聞に積極的に詩を投稿する。すべての表現活動への取り組みが、上場小に歴史を刻む初の学校賞につながった。
 「子供たちを知り尽くした教員が一丸となって全員に光を当てようとしている。小規模校ならではの良さで獲得した賞だと思う」と新村成子校長。国語担当の新留洋智教諭は「会話を重ね子供の言葉をよく聞き、作文に生かそうと努めています」。
 一席に入った6年、中原航君は「お父さんとイノシシ狩りに行った話を先生にしたら『面白いね、作文にしたら』と言われて書いた。賞で自信がついた。もっと書いてみたい」と胸を張った。



鹿大付属小 鹿児島市

感性磨き創造力培う

 3年ぶりの優秀賞。応募した6作品のうち2点が特別賞を受賞した。「子どもたちの努力と教師のサポートがうまくかみ合った。日常でつい見逃してしまう感動や豊かな感性を大事にした指導が受賞に結びついたのでは」と徳永伸一副校長は声を弾ませる。
 学校は本年度、「自分の言葉を求め続ける国語科授業の創造」が研究テーマ。国語の授業のなかでは、作文に限らず自分の伝えたいことを自分の言葉で伝える指導に重点を置いている。
 友達の作文を読む機会を多くつくる。子どもたちが毎日書いている日記は、学年ごとに発行される週報や学年朝会で順番に紹介。自分の作文を多くの人に読まれることで、意識をもって自分の言葉で文を書くようになり、表現力の向上に役立っているという。
 言語力を豊かにするために読書活動にも力を入れる。国語科主任の竹ノ内三千代教諭は「友達の作文や多くの本のなかから、新しい視点やものの見方を発見できる。自分の感動を素直な言葉で書ける力を伸ばしていきたい」と話した。


椋鳩十賞

扇尾小 日置市

「書きたい」思い尊重

 児童15人のうち3人が入賞・入選を果たし、初の学校賞を受賞した。作品には地元の稲作習慣「坪刈り」やお田植え踊り体験など、地域や日常を見つめる温かなまなざしが光る。
 一人ひとりに自信と誇りを持たせようと、感性と表現力の育成に力を入れる。全児童によるオペレッタや週1回の子ども俳句活動のほか、総合的な学習の時間で月2時間、図画や作文など表現に取り組む。イメージではなく、自分の目で見たこと、心で感じたことを表現するよう指導する。
 最も大切にするのが、「書いてみたい」という子どもの思いだ。一人ひとりに十分目が届くが、教員は表現方法のアドバイスなど支援に徹し、無理はさせない。書き上げたとき、子どもたちが自然と胸に抱きしめるような作品づくりを目指す。
 本年度は「少年少女かわなべ青の俳句大会」で最高賞の福永耕二賞をはじめ9人が入賞。他のコンクールでも入賞が相次いだ。そして年度を締めくくる椋鳩十賞。上野文治校長は「学校目標に掲げる『小さな学校の大きな教育』が実りつつある」と目を細める。


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