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'08/03/12,13 本紙掲載 
第44回南日本作文コンクール 学校賞受賞校の横顔
 第44回南日本作文コンクール(南日本新聞社主催、鹿児島県教育委員会、宮崎県教育委員会など後援)の個人賞と学校賞が決まった。鹿児島県内の158小学校、宮崎県の8小学校から合計469点の応募があり、学校賞の文部科学大臣賞に3年ぶりに鹿児島市の田上小が選ばれた。長年、審査委員長を務めた作家・椋鳩十氏の遺志を受けて小規模校などに贈られる椋鳩十賞には日置市の扇尾小、優秀賞は鹿児島市の鹿児島大学付属小、湧水町の上場小が受賞した。学校賞8校の喜びの声と、特別賞の南日本新聞社賞と一席の作品全文を紹介する。表彰式は15日午後1時から、鹿児島市の南日本新聞会館みなみホールで開かれる。

文部科学大臣賞
優秀賞 椋鳩十賞
奨励賞
特別賞・南日本新聞社賞
特選一席作品

審査総評
細かく観察、豊かな内容
 全国国語教育実践研究会幹事・さみどり学園理事長代理  北園 安夫 

 第44回南日本作文コンクールには、鹿児島県と宮崎県の166の小学校から469点の作文が寄せられました。どの作品も各学校で選ばれたものだけに、レベルも高くそれぞれ味があって、心を洗われるような思いで読ませてもらいました。
 初めに感じたことは、書き表された内容の豊かさでした。書こうと思う事象や事柄によく気付き、細かく観察し、考えたことや感じたことなどを整理して、主題の明確な作品に仕上げていました。
 低学年では、身近な存在の家族、飼育している小動物、生活の中での出来事などに題材を求めた生活文が大部分でした。しかし、事柄や出来事を平板に羅列して記述するのではなく、家族の温かさや愛情、親や祖父母を誇りに思う気持ちを上手に書き込んだ作品を多く見受けました。身近で日常的な出来事でも、見方や感じ方や深め方によっては、個性的で内容の濃い作品になります。
 中・高学年になると、世相を反映した作品、心の動揺や葛藤(かっとう)を描いた作品、困難や悩みを克服して自己の向上につなげたことを書いた作品、調査研究したことを整理して報告した作品など、題材の広がりと内容の豊かさと同時に学年相応の質の高まりを感じました。半面、論理的な説明文、意見文、感想文などへの挑戦がもっと欲しいと思いました。
 事物・事象に感動する心、細やかな感情、みずみずしい感性は、書こうとする意欲を引き起こすばかりでなく、内容を豊かにします。1年生に牛を題材にした作文がありましたが、牛の動きを細かく観察し、牛の動きの中に場の空気や牛の気持ちを感じ取って、感動したことを表現に生かしていました。
 次に表現力の向上を感じました。限られた字数の中に、書こうと意図することを表現しつくすことはなかなか難しいことですが、選ばれた作品は、適切に文を構成し、文・文章を論理的に順序よくつなぎ、意図・主題を明確にしようと工夫していると思いました。
 ところで、読者に強く訴えようとして表現方法を工夫することは大事なことですが、効果をねらうあまり、いたずらに技巧を凝らしていると思われる作品も見受けました。たとえば会話文からの書き起こし、省略・倒置などの強調表現の多用、不自然とも思われるような現在から過去そして現在のような段落構成などです。力みのない素直な表現が作文の基礎になるのです。
 南日本作文コンクールは、第1回から一貫して児童の作文力・表現力の向上と、作文を通しての人づくりを目的に実施されてきました。南国の子どもらしく、明るくて情緒豊かであり、それでいてたくましい児童が育っていることは応募作品にも見ることができます。このコンクールがますます充実し発展することを心から祈念します。

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