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'08/04/05 本紙掲載 
第36回鹿児島陶芸展

創作部門

鹿児島県知事賞

「大地礼讃(だいちらいさん)」

田島 修次さん(50)

南さつま市

 【評】ろくろで土を立ち上げることができる限界ギリギリの形と、アウトラインの美しさが融合し、力と緊張を感じる。

30年の経験大作に込め −田島さん

「力強くも慈愛に満ちた作品を目指す」と話す田島修次さん

 受賞作のタイトルは「大地礼讃(らいさん)」。「土が持つ古代の記憶をたどることがテーマ」と話す。特に昨年、他県の美術館で見た縄文式土器に創作意欲をかきたてられた。素朴な力強さにひかれ、「自分だったらどう作るか」と取り組んだ。
 出来上がったのは直径70センチ、高さ45センチの大作。「窯に入るギリギリの大きさで、これまで作った中で最大級」と話す。口広がりの形状は口にひびが入りやすく、1ミリ単位で成否が分かれるため、並外れた集中力が求められるが、「今できる自分の限界に挑戦し、他人が作れないものを生み出すことが楽しい」。
 昨年までの過去5年間は南日本新聞社賞2回、特選3回。あと一歩届かなかった賞を手にし、「陶芸歴30年の経験をすべて注ぎ込んだ集大成なのでうれしい。この形でこれを超えるものはもう作れないので、新しいテーマを探したい」と抱負を語る。
 南さつま市金峰町の山中にある工房で、午前9時から午後5時まで制作に打ち込み、夕方からは少林寺拳法教室やプールに通ったり、5歳から小学4年生までの息子3人と遊ぶ。
 今回最も「ありがとう」を伝えたい相手は妻の圭子さん(42)だ。腱鞘炎(けんしょうえん)になった夫を助け、約150キロ分の粘土を練ったからで、「2人で作ったようなもの」と照れ笑いする。
(南さつま市金峰町)

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南日本新聞社賞

「小粋な贈り物」

水永 幸子さん(59)

姶良町

 【評】色彩配置が上手だ。花の伝統的な模様に抽象文様がはめ込まれているが、矛盾せずにうまく収めている。

6畳の工房で美追求 −水永さん

「工房で制作しているときが最も落ち着く」と放す水永幸子さん

 昨年はテーマ部門で2度目の優秀賞、創作部門では初の特選を手にした。「立体感があるものが好き」と、でこぼこした印象の濃い作品群から一転、今回は滑らかさが際立つ作品が選ばれた。
 ほぼ長方形の面にさまざまな文様が織り込まれ、「デザインが矛盾せずに収まっており、色彩配置が素晴らしい」と審査員をうならせた。当の本人は「自作の湯飲み5種類の柄を合体させただけで、あまり難しいことは考えていない。とにかくきれいなものを作りたかった」と淡々。
 釉薬で緑と赤色を出しているが、「くどくならないように赤は控えめにした」。輪郭の縦線は真っすぐだったが、平凡過ぎると感じ、変化を付けた。「絵を生かすような形にした」と制作上のポイントを挙げる。
 以前から陶芸に興味があり、子供の独立を機に50歳から始めた。夫が経営する土木会社の事務や家事の合間に6畳の工房が創作の場。「受賞は励みになる。これからは形をよく考え、県知事賞を目指したい」と意気込んでいる。
(姶良町三拾町)

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