特 集
路面電車の旅
鹿児島名物、路面電車。
どこまで乗っても160円、これを通勤・通学の足だけで終わらせちゃもったいない!
紹介したお店の電話番号や住所は、あえて秘密にしました。さあ、地図を頼りにフェリアと一緒に旅に出ましょう!

  
 
 何となくぶらぶらしたい、という日がある。「知らない店を発見したい。掘り出し物を買ってみたい」−という気分で市電に乗っていたら、1軒の店が目に留まった。黒地に白ぬき文字の看板は、シンプルだが何か引き付けられる雰囲気。とにかく降りてみよう。今回は「荒田八幡」電停に決まり。
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たまには剣道も
 電車の中で目に留まった看板の正体は、『亜細亜貿易』という輸入雑貨店。昨年6月にオープンしたという。台湾出身の店主の実家が貿易商をしていたこともあって、切り子やお香入れなど中国の直輸入雑貨が並んでいる。
 特に、緑や赤、金などの色鮮やかな酒器・茶器セットが豪華だ。唐草模様の配し方が、中国らしい独特の雰囲気。シルクロードに思いをはせながら、こんな器でお茶を飲むのもいいなあ。値段もセットにしては手ごろ(3500円〜)なのがうれしい。
 大きな壺から小さな置物、天狗や中国舞踊のお面など、個性あふれる品々に出合え、得した気分になった。
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4代目が楽しみ
 右手に資材卸売りの『パッケージプラザゴトウ』が見えてきた。花柄袋(400円〜)やリボン、ラッピング用紙が、100枚単位の束売り。幾束も買って行く主婦や若者が多いそうだ。ラッピング以外にも使うのかな。買い物中のおばちゃんは、「壁紙代わりにするのよ」。
 ここ2、3年で買いにくる人が増えたという。「手作りがちょっとしたブームですから」と店長の後藤新吉さん。ハイカラな柄の紙袋やナプキンがそろっているので、気に入った柄を見つけよう。卸売りというだけあって、ラッピング用以外にもこん包用品が充実している。引っ越しの時には頼りになりそうだ。
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有村屋本店はここです
 そんなこんなでもうお昼。食べ物屋を探していたら、お好み焼き『味一番』を発見。狭い店内には、学生やおじさんがぎっしり座って食べている。
 ミックスお好み焼き(600円)を注文。「学生のころ、こんな感じの店でよく食べたなあ」「懐かしいって子連れで来る元学生もいるよ」「持ち帰る人も多いんでしょう?」「近所の人はお皿持参でね。昼ご飯とかビールのつまみにって買って行くね」と、おばあちゃんとよもやま話をしているうちに、山芋入りお好み焼きの出来上がり。でかい。直径30センチはありそうだ。コーラを飲みながらアツアツを食べていると、また学生時代を思い出してしまった。 
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涙を流した「涙橋」
 せっかくだから電停わきにある『荒田八幡宮』で手を合わせる。“5円玉に昆布を結んで投げ入れると、好きな人と結ばれる”といううわさが宮司さんの知らない間に広まり、ここ何年か昆布付きさい銭が増えたとか。今年こそ思いが伝わりますように、あらためて祈願した。
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つぼに効く「浮き風呂」
 鹿児島大学方面にふらっと歩いて行く。公園の前に和洋折衷の家構えのこぢんまりした器の店が。『サモアン・ファレ(サモアの家)』とは、木佐貫さん夫婦の南方好きが高じてつけられた店名だ。県内外の陶芸家のコーヒーカップや皿など、日常食器を中心に選びぬかれた作品が並ぶ(コーヒーカップ1000円〜)。
 目を引くのが、魚が描かれた沖縄の器。「鮮やかな朱色が沖縄のイメージですが、渋い色遣いの器もあるんですよ」と木佐貫さんが教えてくれた。心なしか店内のすべてが沖縄産に見えてしまう。「やっぱり好みが出てしまいますよね」―沖縄への思い入れたっぷりに話してくれた。
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つぼに効く「浮き風呂」
 電停に向かって小さい路地を抜けていくと、曲がり角にひっそりとした店構えの和菓子屋『あづま菓子舗』があった。
 「お勧めは何ですか」と聞くと、おばちゃんがオリジナル高麗菓子「花万」と「苺大福」を差し出す。店主の東元秀人さんが試行錯誤して生み出したという自信作だ。
 「せっかくだからここで食べんね」の一言に甘え、その場で食べてみることに。まず、まろやかさを大事にしたという苺大福を一口。薄い皮の中の黄身あんがほろりと溶け、苺の甘酸っぱさが口の中に広がった。さっぱりした後味だ。
 「花万」の説明を聞いていると、近所の人が30個も買って行った。大量購入が多く、東京や福岡などからも注文があるほどの人気。おやつ用に2、3個買って帰ろう。特製フルーツケーキ(一切れ150円、1本1000円〜)も素朴で懐かしい味だ。
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つぼに効く「浮き風呂」
 近所の人ならだれでも知ってる『温泉錦湯』は、大正6年創業と歴史のある温泉。タオルと石鹸を無料で貸してくれるので、手ぶらで行っても大丈夫だ。営業時間が長いため(5時〜24時)、仕事を終えてから入りにくる人も多い。朝風呂も人気で、常連の間で朝風呂会も結成されたとか。
 サウナに入り、水風呂で肌を引き締め、岩風呂につかる。体の芯からぽかぽかいい気持ち。銭湯で温泉を楽しめるのも鹿児島に住む“幸せ”の一つ。塩味がするお湯(弱ナトリウム泉)のせいか肌もつるつるしてきた。シメは瓶牛乳で決まりかな。
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