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…旧伊敷線・上町線
鹿児島名物・路面電車。
現在の路線をめぐる「旅」はひとまず終わり。今度は懐かしの旧伊敷線・上町線の沿線を訪ねて、“旅”に出ませんか。
今はもう電車は走っていないけど、かつて電停があった周辺は、今でも魅力がいっぱい! |
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ああ、懐かしのチンチン電車 |
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好評だった「ちっちゃな路面電車の旅」の第2弾として、次回から、廃止された旧伊敷線・上町線沿線をめぐる「懐かしの路面電車の旅」が始まります。今回は特別編として、両路線の歴史をたどり、路線廃止を惜しむ人々に当時の思い出を語ってもらいました。 |
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〜通学、通勤、買い物と、家族全員が利用していた伊敷・上町線が廃止になる。
午後8時から無料開放だと聞いて、「最後だから」とみんなで乗りに行った。花輪を付けた“お別れ電車”を写真に収める人が多く、別れを惜しむ人たちで電停はごった返している。やっと電車に乗り込むと、車内は市電について話す人、残念がって泣いている人など、いつもと違う、すごい熱気に包まれていた。いつもこんなにたくさんの人が利用していたら、廃止にならなかったかもしれない。
これからは、バスの時刻を気にしないといけないし、足腰の弱いおばあちゃんは「バスのステップは上るのが大変」と心配している。電車の方が確実で安全だったのに…。いつかまた復活する日までさようなら。そしてありがとう!〜 |
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鹿児島に路面電車が最初にお目見えしたのは、1912(大正元)年。当時は民間経営で、1928年7月1日に市営化された。伊敷線はまず柿本寺(現在の加治屋町)―新上橋間で1918年に営業開始。その後路線延長を重ねながら、最終的に1961年、伊敷町まで延びた。上町線は1927年に長田町まで開通。こちらも順次路線を延長し、清水町まで完成したのは同じく1961年だった。上町線は、岩崎谷電停の景観の良さと、JR(旧国鉄)の線路と交差して高架になっている地点が人気だった。
利用者が最も多かったのは1960年代前半。磯や与次郎まで路線を延ばす計画も持ち上がっていたほど。実現していたら、今とっても便利だったはずだ。その後、民間バスの乗り入れや乗用車の普及で利用者が減り、経営が苦しくなってきた。「路面電車が渋滞の原因だ」とも言われてしまった。伊敷・上町線廃止の話が出ると沿線住民を中心に反対運動が起き、交通局内でも存続のための案が出されたが、流れを止めることはできなかった…。 |
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「日本路面電車愛好会」会員の橋本謙太郎さん(33)は、結婚式も市電で挙げたほどの路面電車好き。現在でも新型の広告電車がお目見えすると、必ず撮影に出掛けるそうだ。郡元の実家前を走る市電を眺めて育ち、物心付いたときから路面電車が大好きだった。
廃止の時、橋本さんは大学1年生。ちょうど帰鹿していたおかげで、最終日に両路線に乗ることができた。きれいにまとめた思い出アルバムや記念乗車切符を見ながら、「路線廃止を止めることができなかったのが悔しくて。まだ昨日のことのようなんです」と話してくれた。「今でも9月30日にビデオを見て泣いているんですよ」と、奥さんの恵さんが笑う。それだけ思いが深いってことだよね。
「実はこんなものまでもっているんですよ」と出してきたのは、電車の行き先を示す方向幕! 「路面電車は21世紀に続く大切な乗り物。どんどん行政にもアピールしたいですね」。今ある路面電車、もっと大切にしなくちゃね。 |
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廃止当日、最終列車の後に走行した“お別れ列車”。その“最後の運転手”の一人・藤村和夫さん(58)は、伊敷線を運転していた。
「『2路線は廃止になるけど、残りの路線はまだ続きますので、よろしくお願いします』と車内アナウンスをしたら、大きな拍手が何度も起こり、涙が出そうでした」
同沿線は学校が多いため、学生たちも廃止反対の署名を集めていたらしい。廃止後1年ぐらいは「やっぱりあった方が、便利だった」という声が、交通局にも寄せられていたそうだ。藤村さんは、「時代の大きな波に逆らえなかったことが悔やまれて仕方がなかった」と、当時を振り返る。 1961年から運転手として活躍していた藤村さんも、廃止3年後には異動。でも新型電車を見ると、運転したくてウズウズするんだって。市電に対する思いはまだまだ熱い!
そんな藤村さんのひそかな夢は、「市内への車の乗り入れを禁止にして、市電の線路を張り巡らせることと上町・伊敷線の復活」。「実は、伊敷線の方は道路にレールがそのまま埋まっている箇所があるらしいんですよ。それを起点に再開ってのもイキですよね」。ええ〜っ、そうだったんだ。それならぜひ、ぜひ、復活させたい!(Q) |
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イラスト 国生 敬 kokusho@ruby.ocn.ne.jp
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