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路面電車の旅
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鹿児島名物・路面電車。
現在の路線をめぐる「旅」はひとまず終わり。今度は懐かしの旧伊敷線・上町線の沿線を訪ねて、“旅”に出ませんか。
今はもう電車は走っていないけど、かつて電停があった周辺は、今でも魅力がいっぱい!


…旧上町線

大きな病院が立ち並ぶ
 竪馬場電停は、上町線の中でも比較的利用者が多かった。大きな病院がいくつかあるこの辺りでは、特にお年寄りの足として、路面 電車が活躍していたようだ。電停がなくなって以前に比べると人通 りは減ったものの、昔ながらの小さな商店が並ぶ街の雰囲気は変わらない。電車が走っていたころを思い浮かべながら散策しよう。

 

 

 

 竪馬場電停があった当時を知っている人に話を聞こうと、南洲門前通 り会の会長を務める「お茶と鰹節 やまがみ」のご主人の山神哲也さんをたずねた。
 「この近辺は、電車に乗って買い物に来る人も多かったんだけど、電車が廃止されてからは人が以前ほど来なくなり、通 りも寂しくなった。電車が走っているころは、とてもにぎやかだったけど」と、山神さんは懐かしそうに話す。
 南洲門前通りの50店舗からなる
南洲門前通り会は、昭和34年に発足。当時、電車通 りはほとんどが石畳で、下駄が石畳に挟まるという事故もあったらしい。
 通りには、ちょっとしゃれた感じの街灯が立っている。明かりの下には赤と緑の小さなフラッグ。このフラッグは、西郷隆盛をシンボルマークに生かし、通 り会が独自に作製したものだという。 毎年11月23日に、南洲神社の参道で南洲門前まつりを開催。参道はたくさんの出店でいっぱいになるそうだ。ちゃんとチェックして、今年は出掛けてみよう。

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 「お茶と鰹節 やまがみ」の店内には、お茶やかつお節はもちろん、さつま揚げやちりめんじゃこなど鹿児島特産の食品が並んでいる。中でも人気があるのは「ザ・カルシウム」。かつお節やちりめんじゃこ、塩コンブ、ごまなどの小袋をまとめて1パックにしたものだ。これらをまぜあわせて手持ちの調味料を加えるだけで、簡単につくだ煮が作れる。私も早速作ってみたけど、香りが良くて、ご飯に交ぜると何杯でもおかわりしちゃいそう。
 店は近くの人だけでなく、県外客の利用も多いそうだ。電話注文などで直接会うことのできないお客さんには、商品を送るときに、手書きのメッセージを添えるようにしているという。

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 タイヨー大竜店の近くで、ときどき季節の野菜などを売っているおばちゃんを見かける。運がよければ、会えるんだよね。ラッキー、今日は来ている。
 おばちゃんは、3年くらい前からこの場所で野菜を売っている。「商売じゃないのよ。買いにきてくれるみなさんとお話しするのが楽しいのよ」。自宅のある吉田町で、白菜や大根などを作っていて、漬物も自分で漬けているそうだ。おばちゃんが漬けた野菜の漬物は人気があって、多くの人が手に取る。米も自分で作っていて、その米でついたもちが並ぶこともある。
 「お客さんの名前は覚えられなくても、顔だけは覚えているの。おいしかったといわれるのが一番うれしい」。
 1週間に2〜3度、ここへ出て来る。「あらっ、久しぶりね」なんて会話も聞こえてくる。「みなさん、本当にいい人よ」と話すおばちゃんの周りには、いつもたくさんの人が集まっていて楽しそうだ。今度来るときには、あんこもちがあるといいなぁ。

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 そろそろ昼食にしよう。オレンジの看板の「お食事処梨央」が目についたので、立ち寄る。小さいお店だけど、メニューは豊富。珍しい「回鍋肉(ホイコーロー)定食」を注文した。ご飯にみそ汁、小鉢、漬物もついて500円。一番高い「サイコロステーキ定食」でも550円。安い!
 回鍋肉とは、肉と野菜のみそいためのこと。「うちの回鍋肉は、独自のみそを使ってあるからおいしいよ」とお店の松元昭子さん。一口食べてみる。口の中に入った後のピリッとした辛さがおいしくて、ご飯がすすむ。
 定食と同じメニューのお弁当も、容器代20円をプラスした値段で買える。近くの病院に勤めている人たちが、仕事帰りによく買っていくらしい。患者さんに付き添う人たちも、ちょっとした時間にちゃんとした食事ができて助かると重宝しているようだ。

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 食事を済ませ、ぼんやり歩いていると花屋の店先で「チョコレートコスモス」という花を発見! 顔を近づけると甘いチョコレートの香りがする。「チョコレートコスモスは、ほかの花より若干長持ちするんですよ」と「花の店オリーブ」の代表・谷坂登久太郎さん。
 入り口のそばにある「ミニブーケ」が目についた。ミニブーケというのは赤や黄色、ピンクなど色別 の花束のことで、値段は500円から。
 「最近始めたばかりのこのミニブーケが一番人気で、今日は残り1束です」と谷坂さんが手に取ったブーケは、マーガレットやチューリップなど白っぽい花が中心。包装紙などで青色系のアレンジにしてある。
 近くに病院があるため、お見舞い用に花束を買う人も多いという。お見舞い用の花で特に注意するのは、香り。香りがきついものは避け、花で少しでも元気が与えられたらと、アレンジにも気を使うそうだ。
 4月は、入学祝いの花束にチューリップなどがよく使われるという。「プレゼントだけでなく、もっと気軽に花を買う人が多くなれば…」と谷坂さん。これからは人に贈るだけじゃなく、自分に花をプレゼントするのもいいかもしれない。(ピ)

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イラスト 国生 敬 kokusho@ruby.ocn.ne.jp

 


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