特集 路面電車の旅
OLリレー
楽楽マイレシピ



鹿児島名物・路面電車。
現在の路線をめぐる「旅」はひとまず終わり。今度は懐かしの旧伊敷線・上町線の沿線を訪ねて、“旅”に出ませんか。
今はもう電車は走っていないけど、かつて電停があった周辺は、今でも魅力がいっぱい!


…旧伊敷線

国道から一歩入ってみれば…
 甲突川沿いの国道3号線、JRの高架も通 る大変交通量の多い新上橋。電停のあった場所はもちろん車の行き交う音が激しいが、ちょっと入れば、個性的な店や静かな公園もあって、とても楽しめます。

 

 

 

 いざ出発! 出かけたのがちょうどお昼ごろ。「腹が減っては歩けない」というわけで、まずは腹ごしらえをすることにした。
 国道3号沿い、新上橋のバス停前にあるちっちゃな店構えの「手作り弁当ちぐさ」。“おいしいよ!”と書いた手書きの張り紙がとっても気になって入ってみた。ナント、店長の大久保久美子さんがたった1人で切り盛りしているそうだ。長年スーパーで弁当を作っていたが、もっとお客さまの声を身近に聞きたくて、昨年の10月末にオープンした。



 「看板の通り、ホントに手作りなんですよ。愛情のこもったおふくろの味を食べてもらえたらと思って」という大久保さん。近くの会社員や単身赴任の人などが常連だそうだ。弁当は日替わりを含めて4種類あり、すべて450円。11時オープンで、なくなったら終了。このほかに350円のミニ弁当があったのでそれを買った。ホタテフライ、アスパラガスとニンジンの肉巻き、小魚のつくだ煮、スパゲティサラダ、それに漬物2種とあったかご飯。ウン、おいしそう!

mapに戻る▲


 ちぐさの弁当を持って平田公園へ。フジ棚の木陰のベンチでランチタイムだ。すぐ近くを国道が通 っているなんて思えないのどかさ。それに街の中心地に近いのに緑が豊かなのにびっくり。子供と散歩するママや、おしゃべりを楽しむ高校生(アレ? 学校は?)など、みんな思い思いにくつろいでいる。
 平田公園は、ここ平之町に生まれ、美濃の国大牧で自刃した平田靱負(ゆきえ)の屋敷跡だ。1753年、島津家24代重年が、木曽・長良・揖斐(いび)の三河川の川普請手伝役(かわぶしんてつだいやく)を命じられ、1000人の大部隊を薩摩から送り込んだ。この“世紀の大工事”といわれた木曽川治水工事の総奉行を務めたのが平田靱負。洪水や流行病、人手や資金の不足など次々困難に見舞われたが、2年の歳月をかけやっとの思いで完成させた。しかし、彼は後にその功績が認められることも知らず、責任を取る形で切腹。
 「住みなれし里も今さら名残りにて、立ちぞわずらふ美濃の大牧」。51歳の生涯だった。

mapに戻る▲


 国道3号からJRの高架下をくぐり、新上橋を渡って歩いてみる。ン? おもしろい看板発見。「洋服の病院エレガンス」。丈などのサイズ直しからかけつぎ、リフォーム、あつらえなど洋服全般 を“治療・改善” してくれるお店だ。鹿児島ではこの業界で先駆者的な存在なのだそう。先代が創業し、今は兄弟2人で店をやっている。
 丁寧な手作業と良心的な値段のせいだろうか。お客さんは市内全域から来るそうだ。作業台の上にある味のあるアイロンと年期の入ったロックミシンに歴史を感じた。
 電車が通っていた当時の様子も聞いてみた。「廃止になって一時はちょっと不便だったよ。でも、ここは国道でしょう。交通 量もどんどん増えてきたころだったから、車の流れがスムーズになったという良い点もあるんだよね。でも、やっぱり一抹の寂しさは感じるけどね」と話してくれた。

mapに戻る▲


 あふれんばかりの緑に覆われた「グリーンショップドーム」。切り花を売る花屋ではなく、観葉植物やハーブ、苗など鉢物の専門ショップだ。3月10日に同じ新上橋地区から移転オープンした。
 店先で目を引いたのが色鮮やかなハイビスカス(800円〜)。「これね、部屋の中でも咲くハイビスカスで人気なんですよ。キレイでしょう」と店長の鶴田さんが教えてくれた。ここにはお庭がなくても楽しめる花や緑がいっぱい。ついでにお値段までカワイクてうれしい。
 ガーデニング初心者の私でも大丈夫かしらといろいろ尋ねてみると、「大丈夫。私だって初めは勉強の連続だったのよ。時にはお客さまや人さまの庭先が先生だったりするんだから」と人なつっこい笑顔で答えてくれた。なんだか安心。ちなみにこの時期、植えるのにオススメなのはポーチュラカや日日草だとか。また、この店は、陶器や素焼きの鉢が安くて豊富。それを目当てにわざわざ遠くから車で来るお客さまも多いそうだ。

mapに戻る▲


 ドームの鶴田店長が「お客さんが多くて、よく並んでるわよ」と教えてくれた、持ち帰り専門の「焼鳥のとり福」。開店時間の夕方5時半にはショーケースに串(くし)がびっしり。その数ナント24種類!  「市内ではウチが一番数が多いと思いますよ。安さも一番かな」と店長さん。見るとホント、値段も60円(7種類)から200円とやす〜い。
 全部オススメなんだけど変わったところでは、香ばしい霧島どりや肉巻きホタテ(各100円)。あっさりピリ辛味とこってりごまみそ味の2種類のタレと、シンプルな塩コショウの中から、好みの味つけを注文できる。幅広い年齢層に人気のこの店。私が注文した分を焼いてもらってる間にも小学生の男の子がお金を握り締めて「おじちゃん、牛さがり2本!」とやってきた。なかなかツウだ。
 この日は30度を超える真夏日。夕方家に帰ってから、とり福の焼鳥を片手にビールのおいしかったこと! ちなみに私のお気に入りは、野菜の具がギュウギュウの手羽ギョーザをピリ辛タレで、チーズ巻き(100円)を塩コショウで!(志)

mapに戻る▲


イラスト 国生 敬 kokusho@ruby.ocn.ne.jp


(c)1999-2000 FELIA all rights reserved.