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 鹿児島市の北部に位置する緑ケ丘団地。岡之原町と川上町の一部だったこの辺りが、現在の町名・緑ケ丘町になったのは、昭和52年だ。春風に吹かれながらのんびり散策してみよう。

チョウチョが止まっているおうち、みつけた!

 

 国道3号から伊敷団地を通りぬけ、上り坂を進むと左手に「みどり温泉」の看板が見えてきた。白い建物の壁には「KB牧場」の看板も出ている。牧場? 中に入ると総菜売り場もある。温泉と牧場、そして総菜…。なんとも不思議な組み合わせだ。
 支配人の井戸孝範さんが「海外に牧場を持つKB食品が経営しています。2階の『KB牧場』は、宴会専用の焼き肉の店なんですよ」と教えてくれた。総菜は「温泉に入った後はゆっくりしたい」という主婦にウケているんだとか。 
 「肌がスベスベになる」と評判の温泉は、薬草湯、露天ぶろ、ジェット湯、サウナ…と種類が多くて、広々。ここまで充実して、大人料金330円だもん、入浴時間が2、3時間という女性が多いのもわかる気がするナ。
 「日曜・祝日は、わっぜえお客さんが多かよ」と常連らしきおばあちゃん。出掛けるなら、平日の午後3時ぐらいまでが、比較的空いているようだ。

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住宅街の喫茶店
 おふろに入ったらおなかがすいてきた。買い物袋を抱えたおばちゃんが、「団地の中の“唯一”の商店街に食堂があるよ」と笑いながら教えてくれた「徳永食堂」に行ってみよう。
 店内を見回すと定食のほかに「ラーメン450円」の品書が見えた。魅力的な値段に誘われてさっそく注文した。
 「スープは、ガラとトンコツを半々使っています」と、店主の徳永一徳さん。コクはあるけれど後味あっさりのスープは、ギトギトスープが苦手な人に、オススメ。
 「商売を始めたころ、ここの住所は川上町だったんですよ。昔は、出前の注文が多くて、アルバイトを使っていた時期もありましたが、ここ10年ぐらいはさっぱりです」と、ポツリ。
 それでも「ラーメンの注文の7割は出前」というだけあって、次々に出前注文の電話がかかってくる。奥さんが手早く作り、徳永さんが配達へ。言葉は少ないけれど、2人の息はぴったりだ。私も家が近かったら、出前を頼みたいなあ。

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売り切れごめんの“黒玉”!?
 緑ケ丘のどこが好き? 買い物中の人に聞いてみたら「緑が多いところ」「公園がたくさんあるところ」「静かなところ」という声が圧倒的。
 地図を見ると、町の中にはつつじ、れんげ、月見、クローバー、すみれ、ひまわりと、かわいい名前の公園が6カ所もある!
 「桜を見るんだったら90階段の下にあるひまわり公園か、つつじ公園がおすすめ」という花見情報もついでにキャッチ。90階段? 斜面に設置された階段の段数が90あることから、地元の人たちがこう呼んでいるらしい。
 やや急な狭い階段をゆっくり数えながら下りていくと、ぴったり90。この階段を毎日上り下りしていたら、足腰がずいぶん鍛えられそうだ。
 ひまわり公園の桜のつぼみも、もうじき開きそう。公園近くに住んでいる人たちは、わざわざ外に出なくても、部屋の中から花見ができるんだよね。ウラヤマシイ。

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ニオイだけでご飯が食べられそう!?
 小さな店が並ぶ商店街を歩いてみよう。通りにはスーパーマーケット、八百屋、肉屋のほか、空き店舗も2軒ほど…。お客さんとお店の人のにぎやかな笑い声につられて「緑ケ丘マーケット」に入ってみた。
 「昔は、肉屋とか駄菓子屋とか6軒も店があったのよ。今は2軒だけになってしまったけれど、マーケットの看板はそのまんま」と「松下鮮魚店」の松下鈴子さん。
 「お客さんの顔を思い浮かべながら魚を仕入れている」という松下さんの店には、「アジやサバなどの青モノを買うなら松下で」と吉田町から買いにくるお得意さんもいるようだ。
 隣は「小牧青果店」。「今は、車で大型スーパーに買い物に行く人が多くて…。この通りは、昔のような活気はなくなりました。でも、川上町や下田町からわざわざ『会いにきたよ〜』と訪ねてくれるお客さんがいると励みになります」と、店主の小牧侃(つよし)さん。心がつながっているお客さんとお店の関係、いいな。

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自分の星座を探してみよっ
 地元の人から仕入れたもう一つの情報をもとに、夕日がきれいに見える場所を探索してみた。
 たどり着いたのは、団地の外れの角地。真下には、ガードレール越しに、岡之原町・熊迫の田畑、遠くには山々が見渡せる。今さらながら、緑ケ丘は、こんなに高い所だったんだ、と実感。
 ビニールハウスのむこうで、農作業をする人の姿が小さく見える。サラサラサラ…。草が風にゆれる音がヒーリングミュージックのように心地よい。
 ぼお〜っとしている間に、空があかね色に染まってきた。きれい〜! それに、空がとっても近い! 市内にもこんなにのどかな場所があったんだなあ。ゆっくり沈んでいく太陽をみていたら、山間の温泉地を訪れた気分になっちゃった。(

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イラスト 国生 敬 kokusho@ruby.ocn.ne.jp

 

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