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昭和42年に造成された大明ケ丘団地。当時、夢のマイホームを造った人々も団地とともに年を重ねていく。鹿児島市内でも比較的古い、この団地を訪れた。

チョウチョが止まっているおうち、みつけた!

 

 どんな出会いがあるのか胸を躍らせ、さぁ出発。大明ケ丘団地で特徴的な半円形の町並みを歩いてみることにした。本当に変わってる!
 歩いていると、通り沿いの店先に並んでいるスイカやリンゴが目に入った。うわぁ〜、おいしそう!
 昭和42年から商売をしている「桑山商店」。この団地では、いわば古株のような存在だ。団地ができた当時と比べると「活気がなくなり、寂しいですよ」と話す桑山さん夫婦。大型スーパーが増える中、地道に商売を続けるのは大変だという。それでも「常連のお客さんになると、その人の顔を見ただけで自然と果物の甘さ加減など好みが分かるんですよ」と小さな店ならではの良さを語ってくれた。
 店の奥には、懐かしい駄菓子類もある。小さいころ近所に、こんなお店があったなぁ。遠足の前、200円を手に握り締め、店へ急いだ日々を思いだした。

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住宅街の喫茶店
 歩いているとド派手な赤い看板が目についた。「中華菜館朱元璋(しゅげんしょう)」で腹ごしらえをするとしよう。
 今年で21年目を迎えた店の店長・岩元正彦さんは名古屋で中華料理の修業をしたという。たくさんのメニューの中から注文したのはエビラーメン。そういえば、読者からも「おいしい」と情報のあった一品だ。
 出てきたのは、モヤシやニラなど野菜たっぷりのエビラーメン。衣をつけて油で揚げたエビが特徴的だ。まずはエビを一口。わぁー、プリプリしてておいしい。しょうゆベースのスープと、ピリッとする辛さの野菜がうまくマッチしている。
 「うちの料理は辛さとおいしさのぎりぎりの味付け」と笑う岩元さん。その意味は? 「いろんな味付けがあるけど、せっかく食事をするんだったら、おいしい方がいいでしょ。おいしく食べることが体にもいいってこと」。すべての料理に愛情と自信をもって作っている岩元さんだから、言える言葉なのだと思った。

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売り切れごめんの“黒玉”!?
 団地を歩いていると、聞き慣れないメロディーが…。期待と不安を抱きつつ音の聞こえる方へ急いだ。
 「刃物研ぎ専門」と書かれた車を走らせているのは亀元虎男さん。3年前から鹿児島市内の団地へ刃物を研ぐ出張サービスをしている。大明ケ丘団地へ来るのは月に2回。料金は包丁500円、花ばさみ500円など。他の研ぎ屋さんと比べ、決して安くはないという。「研ぎ屋さんはいろいろいますが、私が研ぐ刃物は研いだ後の持ちが違うんですよ」と亀元さん。一度、包丁を研いでもらった人は、必ず「またお願い」と車を見つけ持ってくるんだとか。
 「商売というか、刃物を扱うことが趣味みたいなもんかな。切れなくて、どうしようもない刃物を生き返らせることが私の喜び」と亀元さんは笑う。
 そういえば、うちにも切れにくい包丁があったなあ。今度亀元さんを見つけて、生き返らせてあげなくちゃ。

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ニオイだけでご飯が食べられそう!?
 「大明ケ丘団地周辺ならココへ行ってみては?」と地元の人に言われたのが、磔者坂(はたもんざか)。磔者坂?? 聞いたことがない。こりゃ行ってみるしかないでしょ!
 近所の人の話によると「大石兵六夢物語」(近世鹿児島の代表的な文学作品)の主人公・兵六が吉野ケ原へ妖怪(ようかい)退治に出掛けて、化けた茨木童子に脅かされる最初の場面が磔者坂だという。
 急な坂道を見上げると、空のかなたへ吸い込まれそうな不思議な気持ち。当時の様子を想像しつつ、一歩一歩、伝説の地を歩いてみた。木々が生い茂る坂道の神秘的な空間に思わず息をのんだ。
 その土地に伝わる話に耳を傾け、訪れるのも「郊外さんぽ」の魅力だと感じた。と思っているうちに坂を上りきっていた。ふぅ〜っ。こんなに歩いたのって久しぶり。

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自分の星座を探してみよっ
 お日さまが少し傾いたころ、歩いているといい香りがしてきた。敏感とはいえない鼻をきかせ、ニオイの方向へ行ってみると、「肉のマツザカヤ吉野店」を発見。店内で焼き鳥を焼いている。確か、大明ケ丘団地へ向かったときには、なかったはず…。
 「午後4時から始めるんですよ」と教えてくれたのは、店長の平田良二さん。店内の一角に置かれたコンロの上には、焼き始めたばかりの焼き鳥が。料金はもも、皮、砂ズリ各50円、バラ80円。安い!
 もも肉と豚バラを1本ずつ注文。焼けるのを今か今かと待っていると「出来上がりましたよ」と平田さんの声。待ってました!といわんばかりにすぐさま、もも肉をパクッ。アチチ…。焼きたてだということを、すっかり忘れていた。落ち着いて食べてみる。ウ〜ン、甘いタレがイイ感じ。お肉も歯ごたえがあっておいしい。
 焼き鳥は午後6時半まで。夕方行かなきゃ、見逃すところだった。店先に焼き鳥の旗が立つころが、オープンのお知らせなんだって。今夜の晩ご飯用にも買って帰ろ!(

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イラスト 国生 敬 kokusho@ruby.ocn.ne.jp
 

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