
さらに階段を上り、
「谷山神社」にやってきた。見晴らしのいい高台に建つ神社は、だれを奉っているのだろう。
「後醍醐天皇の9番目の皇子、懐良親王(かねながしんのう)です」と宮司の大脇誠一さん。昭和3年、親王を奉る神社をという町民の声でつくられた。
「懐良親王は1342年、13歳のとき、九州統一の任務で谷山にいらっしゃいました。谷山氏が迎え、6年間滞在されたそうです」。懐良親王に喜んでもらうために、じゃんぼ餅(もち)を作ったという説も。そういえば、公園内に売っていたなぁ。
ときは南北朝の争乱期。南朝方の谷山氏は、北朝方の島津氏と、激しく戦っていた。懐良親王は陸路を阻まれ、海路で八代まで移動したとか。眼下に見える平和な町並みを眺めていると、この地にそんな時代があったなんて…と切なくなる。
秋の空は、青く高く、穏やかに広がっていた。 (
ぽ)