暮らしを彩る文化・生活情報紙
Vol.17
11月某日
池田湖を通り過ぎて、道の両側に広がる菜の花畑
は、一月もすると満開とか。黄色いじゅうたんと開聞町のシンボ
ル開聞岳の風景も、きれいだろうなぁ。
開聞岳を望む、良質の温泉と聞いて
「国民宿舎かいもん荘」
にやってきた。
露天は広くて、ゆったりとした岩風呂。正面に東シナ海が、どーんと横たわる。晴れた日は屋久島や硫黄島まで見える、ダイナミックな眺望だ。ちょっと身を乗り出すと、開聞岳が見えるけど、海岸から見られてしまうので要注意(男湯からは開聞岳がバッチリだそうだ)。
お湯は茶褐色で、二つの泉質がブレンドされている。鉄分とナトリウムを多く含んで、肌にしっとりまとわりつく感じ。湯の温度は普通だが、上がって1時間は体中ぽかぽか。汗が引かないくらいだ。
「開聞岳登山の拠点として、県外の利用が多い」と副支配人の中間竜郎さん。前日宿泊して登山、帰りにも寄って、登った開聞岳をしみじみ眺めて汗を流すのだとか。「夕日の光景は、半端じゃなくきれいです」。ちょうどこの時期、開聞岳方向に夕日が沈んで、東シナ海の向こうが真っ赤に染まる。登山した後の温泉って、きっと最高の気分に違いない。
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かいもん山麓ふれあい公園内にある
「そばの館 皆楽来(みらくる)」
で、そば打ちに初挑戦。用意されたエプロン、三角きんを着けて、いざ!
まず、そば粉と山芋を混ぜ合わせ、水を加えて耳たぶぐらいの硬さにこねる。次に、生地をめん棒で延ばしてたたみ、マッチ棒ぐらいの太さに切ったら、ハイ、出来上がり。手取り足取りの指導のおかげで、大体30分で終了した。
いよいよ試食。温かいそばもあるが、風味を味わうため、板そばにした。そば湯、地元産の漬物、おにぎりも付く。
“ひきたて、打ちたて、湯がきたて”の純手打ちそばは、もちっとした食感。あっさりした天然だしのつゆと合って、絶妙な味わいだ。自分で打ったと思えば、なおさらおいしい。
打ったそばの残りは、お土産に。友人に持っていって、自慢しよう。
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昭和40年代、指宿は新婚旅行の“メッカ”だった。
「開聞山麓自然公園」
は、旅行の記念に木を植える、人気のスポット。昭和39年から平成元年までに植樹されたホウショウ、シイノキ、ビロウなど約7万本が残る。
「時々、当時の木を見たいと、訪ねて来られますよ」と公園職員。還暦祝いの夫婦、亡くなった連れ合いを懐かしむ人、両親の歴史をたどる子供や孫…。木の数だけドラマがある。開聞岳に広がる森を見ていると、ノスタルジックな空気に包まれる。
当時からかわいがられていた県の天然記念物「トカラ馬」は、園内のあちこちを歩いている。人によくなれ、穏やかな性質だ。居合わせた若いカップルが、馬と並んで写真を撮っている。数十年前にも、こんな光景があったのだろうか。
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帰りがけに見つけた
開聞町特産品直売店「菜の花畑」
。今年7月オープン。地元の野菜だけでなく、ムベ、ドラゴンフルーツなど、珍しい果物も並ぶ。手作りの芋だんごもおいしそう。どれもうれしい価格だ。
「いらっしゃい!」。威勢よく出てきたのは、店主の福留敏朗さん。なにがおいしい? 「なんでも。でも、おすすめは、生シイタケかな」。店の隣にあるトレーラー内“金床”というベースにぎっしり生えて、おいしい水と栄養分を吸っている。かなり珍しい栽培法なのだとか。では、新鮮な丸っこいシイタケもお土産にしましょう!
20代の店主は、本業が大工さん。お店も陳列台もすべて手作り。初めて迎える冬対策に、ビニールハウスを増築中だ。
シイタケは周囲で大好評。柄がやわらかくて、しっかり“シイタケ”の味がした。
(ぽ)
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DATA
●国民宿舎 かいもん荘
住所-開聞町川尻5390
電話-0993(32)3151
休 -なし
料金-300円
入湯時間-12:00〜22:00
●そばの館 皆楽来
住所-開聞町十町2626
電話-0993(32)2728
営 -10:00〜17:00
休 -1月1・2日
料 -そば打ちセット(4人分)1600円、
体験料(1人)400円
●開聞山麓自然公園
住所-開聞町川尻6743−1
電話-0993(32)2051
営 -10:00〜17:00
休 -なし
●開聞町特産品直売店 菜の花畑
住所-開聞町仙田唐船ケ迫132−7
電話-0993(32)0360
営 -7:00〜18:00
休 -なし
イラスト 張 佐和子
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