行きつけの小さな居酒屋は、一年中、テーブルにキャンドルをともしている。小学六年の息子は、この明かりがお気に入り。席に着くと、真っ先にキャンドルグラスをのぞき込む。BGMはない。時間を忘れ、のんびりと会話を楽しめる心地よさ…。キャンドルには不思議な力がある。
九年前の秋、海外研修で滞在したデンマークの家庭も、食卓に必ずキャンドルがあった。ほんのりと照らす光が、温かく幻想的だ。同年代の夫婦と二人の子どもは毎晩、そこでゆっくりと一日の出来事を語り合った。
北欧の冬は日照時間が短く、どんよりした天気が続く。部屋を明るく演出するキャンドルは、各家庭の必需品。消費量は世界トップクラスという。
コペンハーゲンの繁華街を歩くと、色鮮やかでユニークな形のキャンドルが店内に並んでいた。まん丸、四角、バラの花…。ケーキや仏壇のろうそくしか知らない私は、行く先々で立ち止まり、ただ、ただ、見とれるばかり。
仕事と子育てにくたびれ果て、家は「食べて寝る場所」でしかなかったあのころ。生活を彩る楽しさや、家族の時間の大切さを教えてくれたのは、キャンドルを囲む食卓の風景だった。今も心に刻んでいる。
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●撮影協力 コージーコレクション
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住/鹿児島市高麗町30−17
| | 電/099(258)0293
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