初めての出合いはデパートのレストラン。子供のころ、デパートに連れて行ってもらい、屋上の遊園地で遊び、ラストは下の階のレストランで食事をする。そんな最高に楽しい一日での出来事だった。
それは、昨今売られているようなプラスチック容器入りではなく、銀色の器に載り、厳(おごそ)かに現れた。そのとき「これは何だろう」という気持ちはあったと思うが、よく覚えていない。
スプーンですくい口に入れると、今まで経験したことのない甘さとなめらかさが広がり、今のプリンより、もっと濃厚な味として記憶に残っている。子供心に、世の中にはこんなにおいしい物が有るのかと思った。
大げさな、と思われるかもしれないが、おやつといえば蒸かし芋か、せいぜい紙芝居のおじさんの水あめ。一般の家庭では冷蔵庫もなく、卵やミルクを使ったお菓子という発想がまずなかった時代の話だ。食糧事情がだんだん良くなり、さまざまな洋菓子も出まわるようになったが、あの時の驚き以上の出合いはない。
さすがにこの年齢になると、今でもプリンが大好き! という話にはならないが、私は家族の者から笑われようとも、市販のプリンを食べるときは、必ず容器から皿に移し、カラメルシロップを上にしてスプーンで食べる。そうしないとなぜか味が半減するような気がする。私にとってそんなこだわりを残す、思い出の逸品である。
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●撮影協力 撮影協力 ステーキハウス 藤安
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住/鹿児島市平之町13−29
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