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思い出の逸品 いももち
大原 タツ子さん
鹿児島県農協中央会家の光講師
プロフィル
県立大島病院などで栄養士として勤務した後、
生活指導員として県農協中央会へ。
平成7年に定年退職後も県経済農協連
などで講師を務める。
鹿児島女性政策研究会副代表。
いももち
photo by SunSeeker
 昭和五十年代半ばから毎年秋に開催された「農林水産まつり」で、私が事務局を担当していた農協婦人部(現JA女性部)は、米消費拡大運動の一環として米料理の実演と試食コーナーを担当することになった。
 当初はライスコロッケ、ご飯入りドーナツ、ご飯せんべいなど、新しい料理を提案し、来場者に楽しんでいただいた。しかし年を重ねるにつれ、マンネリ化してきたこともあって、昭和六十年代に入ると、先人たちの知恵が詰まった伝統食の中から「いももち」をつくることになった。ひと口に「いももち」と言っても、米とイモと砂糖の分量によってその味わいが異なるので、役員がそれぞれの手づくりを持ち寄っては検討を繰り返し、婦人部の味をつくり出した。
 いよいよ当日。セイロや石臼など昔ながらの道具を使っての実演に、たくさんの人が集まりにぎわった。試食が始まると「家族にも食べさせたい」「孫に持って帰りたい」などの強い要望が寄せられ、急に即売コーナーをつくることに。「もう、ここまでです」と売り切れたことをいくら説明しても、あきらめず順番を待つお客さんもいて、うれしい悲鳴を上げたことも今は懐かしい。
 あれから十数年にわたり、数々の思い出を残してくれた「いももち」。あらためてありがとうを言いたい。
●撮影協力 山藤屋
住/鹿児島市西千石町13−11−110
電/099(223)3923
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