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ぶらーりぶらり湯めぐり日記
Yumeguri Nikki in
Vol.55
7月某日 霧島山麓(さんろく)の南西部に位置する横川町は、その名の通り西から東へ川が横断する豊かな自然いっぱいの町。美しい風景やおいしい食べ物…。どんな新しい出合いが待っているのかワクワク。


大隈横川駅 シェフ よいやんせ 星塚温泉ヘルスセンター

 最初に向かったのは「星塚温泉ヘルスセンター(おきな湯)」。緑の山に映える淡いクリーム色の外観と、真っ赤な「ゆ」の文字が目印だ。入り口から玄関まで続く石畳の打ち水など、和風旅館を思わせる心づかいに期待は膨らむ。
 ここには和風と洋風のお風呂があり、男女が毎日入れ替わる。本格派の露天風呂が人気の和風は、偶数日が女性で、奇数日が男性。この日は女性が和風だ。
 濃淡のグレーのタイルと白い壁がモダンで明るい室内は段差が少なく、手すりが目立つ。「お年寄りの方に気軽に利用してもらいたいと、浴槽のふちを低くするなど随所に工夫しました。オーナーは81歳の現役のお医者さん。泉質の良さも自慢なんですよ」とスタッフの木佐貫エミ子さん。弱アルカリ性単純泉のお湯は、やわらかで肌にしっとりとまとわりつく。美人になりそうな予感。こぢんまりとした露天風呂からは、和風庭園の緑、新鮮な山の空気が心地良い。これで210円はかなりお得。今度は洋風にも入ってみよう。

 入浴後、温泉近くに「大出水(おおでみず)」という看板を見つけた。のどの乾きを潤すため、車を走らせること5分。細い山道の奥に幻の湧水≠ヘあった。毎分21〜22トンもの湧水があり、休日になると町内外の人が水くみに訪れるという。これで焼酎の水割りを飲むとおいしいだろうなあ。


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 横川町役場近くをぶらぶら歩いていると、歴史を感じさせる古い駅舎を見つけた。JR肥薩線の「大隅横川駅」。明治36年1月5日の開業以来、その場所にたたずむ駅舎は県内で一番古いものだという。現在は無人駅となっている、駅舎に足を踏み入れると、そこは平成のいまとは何だか別世界だった。時代とともに歩んできた木の壁や天井、白い漆喰(しっくい)の壁、レトロな雰囲気の照明は、田舎に帰ったような懐かしさにあふれている。
 待合室の木のベンチでちょっとひと休み。開け放たれた窓からは、やわらかな風がそっと通り抜けていく。緩やかな時の流れ。列車に乗ってふらりと旅をしたくなった。
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 丸岡公園近くの「和・洋Restaurant 詩絵譜(シェフ)」へやって来た。こだわりいっぱいのメニュー表に思わずくぎづけ。料理には花壇で栽培したハーブを使っていると聞いた。すぐ出来上がる料理は「エキスプレス(急行)」、少し待つものには「ローカルトレイン(鈍行)」の文字が。カロリーが記載されている料理もあり、メニュー選びの参考になりそう。
 早速、日替わりランチ(600円)を注文する。この日は私の大好物のカツカレー。ハーブをふんだんに使ったカレーは揚げたてのカツとの相性も絶妙。ハーブ入りの水も、さらにおいしさをひきたてる。「料理は詩のように物語があり、絵のように美しく、音符のようにリズミカルに」と話すオーナーシェフの山下泉さん。その心意気が感じられる料理は、ジャンルを問わず80種類ほどある。今度はハーブを使ったコース料理を食べたいな。
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 お土産を買うために「横川物産館 よいやんせ」を訪れた。ここで見つけたのが、「鹿児島横川産無農薬紅茶 さつま貴婦人」。34年ぶりに復活した紅茶だという。生産者の久留須幸男さんに話を聞くことができた。「国産紅茶の見直しに伴い、4年前から作り始めました。最初は昔の資料を見たり、経験者から指導してもらうなど苦労の連続でした」。その苦労の甲斐あって、「苦みが少なく飲みやすい」「ほんのりした甘さがいい」と好評だ。
 40数年前の紅茶の木からできた「さつま貴婦人」。30gのリーフ(350円)を買った。お気に入りの器で優雅にティータイムを楽しもう。
(亜)
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DATA
●星塚温泉ヘルスセンター(おきな湯)
住-横川町下ノ241−5
電-0995(72)9039
休-第1・3月曜日
¥-210円 
入湯時間- 6:00〜22:00
●大隅横川駅
【問い合わせ】霧島高原鉄道事業部
電-0995(75)2013
●和・洋Restaurant 詩絵譜
住-横川町上ノ3299−10
電-0995(72)1733
休-水曜日(祝日の場合は翌日)
営-10:00〜14:30、17:30〜21:00   
●横川物産館 よいやんせ
住-横川町上ノ3411−2
電-0995(64)6088
休- 12/31・1/1
営-8:30〜18:00(4〜10月)9:00〜17:30(11〜3月)

イラスト  張 佐和子
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