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「看板があるからすぐ分かるよ」。地元の人に教えられて出かけたのが、串良町唯一の温泉「源氏風呂62」だ。見知らぬ土地だけに、頼りになるのは看板のみ。「この道で大丈夫?」。不安を察したように、突如現れる看板。そのうち「どれぐらいで着くのかな」「どんな場所だろう」という期待感へと変わる。
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ようやく到着したのは、懐かしい雰囲気が漂う場所だった。レトロな看板、木製の脱殼機。まるで昔にタイムトリップしたかのようだ。温泉の歴史は古く、百年以上前から湯治場として栄えていたという。昭和35年ごろに閉業したが、オーナーの福留静男さんが「地域の憩いの場にしたい」と、平成10年に復活させた。
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入浴後は屋外の飲料水で、乾いたのどを潤し、施設前のベンチでひと休み。野鳥のさえずりや葉音に耳を傾けるも良し、地元の人と世間話に花を咲かせるも良し。運が良ければ、愛車で日本一周した福留さんのおもしろ話も聞ける。まさに、ちょっとした旅気分。
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浴室はピカピカに磨かれたタイルと、大きな窓から降り注ぐ光りが心地良い。大浴槽と水風呂だけのシンプルな造りだが、掛け流しの湯はいつも新鮮。湯の色がカニの泡の色に似ていることから、地元の人が「ガネ水」と呼ぶ湯は、18度の冷泉を温めたもの。鉄分を多く含み、切り傷や関節の痛みに効くという。
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