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思い出の逸品 七草
森 宏子(もり ひろこ)さん

お茶の美老園常務
プロフィル

鹿児島大学付属病院、看護学校などで看護職
として勤務。現在、「お茶」「ギャラリー」
を通じて多くのお客さまとの素晴らし出会い
いがあり、「そのすべてが財産」と語る。
七草
photo by SunSeeker
 七草祝―その年に数え年で七歳になった子どもの鹿児島ならではのお祝い。
 私の七草は、この晴れ着に袖を通し、おかっぱ頭に鈴のついた大きなリボンをつけ、ぽっくりを履いて神社参りをし、七草がゆをもらいに、田舎のデコボコ道を歩いて近所のお宅を回ったこと。もう半世紀以上前の出来事が懐かしく思い出される。
 歩くたびに「チリリン チリリン」と鈴の音がひびき、きっと小さなお姫様にでもなったかのようにお祝いの席ですましていたに違いない。
 現代の晴れ着スタイルには、その時々の流行、特にアニメなどが反映されるらしい。今年は「青い晴れ着がほしい」という女の子が多いそうだ。私の五十数年前の晴れ着は紫色、長襦袢はなんとネルであった。戦後間もない、物があまりない時代にどのような思いで準備してくれたのだろうか、と祖父母に思いをはせる。
 今はこの晴れ着を孫たちに「おばあちゃんが着ていたのよ」と昔話でもしながら、着てもらいたいと思っている。そのときが早くくるよう孫の成長を楽しみにしている。
●撮影協力 心酔亭(着物は森さんの私物)

住/鹿児島市谷山中央3丁目4754
電/099(269)0450
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