暮らしを彩る文化・生活情報紙
最終回
11月某日
「湯めぐり日記」もいよいよ最終回。締めくくりは鉄砲伝来の地、種子島へ。鹿児島本港から高速船に乗れば、約1時間半で到着できる。島内を一周する意気込みで出発!
観光雑誌などで目にするたびに一度は行きたいと思っていた
「千座の岩屋」
。西之表港から海岸線を抜けて約1時間のドライブだ。ところどころに出現する広大なさとうきび畑が南に来たんだ≠ニ実感させてくれる。
目当てのスポットは浜田海水浴場内。「干潮の前後2時間しか中には入れないから時間を見計らって」と役場の人が話していたけれど、運良く干潮。岩のすき間から中に入っていくと…。おおっ! 「1000人座れるから千座の岩屋≠ニ名付けられた」と言われているとおり、想像以上の広さ。波で侵食されてできた自然の神秘に心躍る。波が入ってきてチャプチャプと響く音や、ひんやりとする風も心地よく、心がす〜っと澄んでいく感じ。足場が悪いから、転ばないようにぬれないように慎重に移動しなきゃ。やっぱり写真で見るより肌で感じてこそ。ああ来てよかった。
河口さんが薦めてくれた
「南国みやげ品店 ひげさんの店」
。ひげさん≠アと、番頭の桑原立幸さんが迎えてくれた。「桑原さんのひげのインパクトが強く愛称をそのまま店名にしました」と店の主人・名越和子さん。「種子島で作られたものしか販売しない」とこだわり、伝統工芸品の種子鋏、種子島実業高校の生徒が作った加工品などがそろう。
土産に選んだのは「七つの海(735円)」という塩。西之表市に住む関鉄弥さんが、竹で作ったやぐらに海水を滴らせ、太陽と風の力だけで完成させた完全天日自然海塩だ。しょっぱさが少なく、荒塩のようなガリッとした食感。おにぎりに混ぜたり、キュウリなどの生野菜につけて食べると、味がしまってうまい! 地元のサーファーたちが田おこしから収穫まで手作業で行った無農薬の「サーファー米(2合・525円)」もユニーク。これは友達に買っていこう。
(鯱)
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宿泊先の
「居酒屋民宿・珊瑚礁」
へ。ガジュマルの木のトンネルをくぐると、古風な建物が顔を見せる。さらに、食堂からは東シナ海を眺められ、雰囲気はバッチリ。
長時間のドライブでおなかがペコペコ。今夜のメニューは、背カツオの刺し身、ニガダケとサツマイモのてんぷら、キビナゴのなます、イモ団子入りの豚汁…と10種以上の郷土料理。料理に使う魚などは、ご主人の河口修さんが自ら漁に出て捕ってくるという。「郷土料理とはいえ、魚料理だけでは飽きるでしょう」と、黒豚しゃぶしゃぶも登場。ボリュームのわりにペロリと食べられちゃうのは、そんな心遣いがあるから。
「種子島の魅力を伝えたい」と、シーカヤックやダイビングなど体験したいことがあれば手配をしてくれる。ときには河口さんが漁に連れていってくれるとか。次に来たときは、お願いしてみよう。
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「種子島宇宙センター」「竹崎海岸」「門倉岬」をぐるっとめぐり、宿に向かう前に熊野海岸前の
「中種子町温泉保養センター」
に立ち寄ろう。
国民宿舎の跡地に平成5年に作られた、町内外からの客でにぎわう温泉。夏は海水浴のあとに訪れる人が多いという。こぢんまりとした浴場だけれど、窓から望む熊野海岸の光景は格別! 沖合に浮かぶ小島、エメラルドグリーンの海が静かに立てる波、白いビーチ。たいくつだからと長風呂ができない私でも、この風景があれば飽きない。「このまま額縁に入れたくなる景観」と町役場の笹川満夫さんも自慢気だ。
湯は約25度の冷泉を42度くらいに温めた単純温泉。心地いい湯加減で、のぼせる心配もない。しかも先客のご婦人二人が出て、貸し切り状態。よしっ、笹川さんいちおしの「薬草風呂」へGO! ネットに入った薬草がゆれる茶褐色の湯と漢方薬のような香りに包まれ、体が浄化される気分。肌もツルツル。コレ目当てに町外から足を運ぶ常連さんも多いとか。「湯冷めをしないと好評だよ」と笹川さんが教えてくれたとおり、帰るときも体がポカポカだ。
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DATA
●中種子町温泉保養センター
住-中種子町坂井5542
電-0997(27)9211
休-月曜、12/28〜31、1/4〜6
営-4〜9月11時〜20時、10〜3月11時〜21時
¥-300
●千座の岩屋
問-南種子町企画課
電-0997(26)1111
●居酒屋民宿 珊瑚礁
住-西之表市西之表201
電-0997(23)0005
●南国みやげ品店ひげさんの店
住-西之表市西町36
電-0997(23)2428
休-1/1、台風接近のとき
イラスト 張 佐和子
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