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思い出の逸品 焼酎
荒木 秀樹さん(あらき ひでき)さん

陶芸家
プロフィル
陶芸家。日本大学芸術学部で彫刻を学び、同大学研
究科を経て帰郷。陶芸家の父・荒木幹ニ氏に師事し、
作陶を始める。2001年、家業の薩摩焼きの伝統
窯・荒木陶窯を継ぐ。日本伝統工芸展など入賞多数。
日本工芸会所属。鹿児島県陶業協同組合事務局長。
焼酎
photo by SunSeeker
 焼酎をはじめて飲んだのは、 美山地区の青年団長をしてい た頃。御みこしのかつぎ手代表で、 お神酒をいただいた時だった。 10 年後地元の湯之元温泉街で、 焼酎のお湯割りとニガゴリを肴 に注文すると、居酒屋のおやじ さんに「お前も大人になったね」 といわれたのを覚えている。
 彼は県内の有名ホテル・旅館 を長年渡り歩いた腕のいい料理 人だった。女性との付き合い方 から、手に職を持つ人間の生き 方まで色々と教わったものだ。
 さて、陶芸作品を作る際に最も重要なのが発想である。現在 私は年6回の展覧会に出品して いる。もちろん毎年違うデザイ ンを工夫しなければならないの だが、そう簡単に良いアイデアな んか出てこない。そんな時、焼酎 が手助けをしてくれる。飲んで 騒いでその後に、不思議と次の 作品のテーマが浮かんで来るので ある。
 「仕事がんばってるか。でもい いかげんな奴のほうが金儲けは うまいんだよなー」。笑いながら 話した、居酒屋のおやじさんは もういない。焼酎は、良き人との 出会いから仕事の手助けまでし てくれる仲間であり、大人の証 明書なのである。
                                   ●撮影協力 熊襲亭
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