奄美の島唄には、三味線とち
ぢん太鼓が登場する。宴のフィ
ナーレで踊る六調は、ちぢん太
鼓が命。激しいリズムに合わせて
指笛が鳴り、宴は最高潮。決まっ
た振り付けはないけれど、手を
振り上げ、ウキウキと足を高々、
軽やかに踊り出す。
十島村中之島に暮らしていた
祖父は手先が器用で、太鼓作り
の名人だった。私が5歳の時、祖
父がちぢん太鼓をプレゼントし
てくれた。母の話によると、久し
ぶりに孫の顔が見たいと名瀬を
訪ねてきたとき、おみやげとして持参したという。
ちぢん太鼓は子ども用で、か
わいいミニサイズ。皮はヤギ、周
りは棕櫚の木から作られている。
編んだ棕櫚の紐が太鼓について
いて、その先に小さなバチが1本。
いつでもたたけるように、という
心遣いからだろうか。祖父の孫へ
の愛情が、皮の縫い目の一針一針
に、きれいに並んだくさび一つに
厚く伝わる。
今、私は毎晩繰り広げられる
島唄ライブでちぢん太鼓を打っ
ている。あのころ祖父とできなか
った唄アシビを今、しているよう
な気がしてならない。
●撮影協力 奄美民謡伝承研究会
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