25
年前、東京の新宿にある花
園神社の骨董市で、変わったこ
けしを見付けました。普通のこ
けしよりずっと細長く、足下に
ネジがあり開くようになってい
ます。ネジの部分が浮いていて、
何か紙が入っているのに気付き
ました。
「君とけんかして旅に出たけ
れど、自分が悪かった。帰ってき
たら仲良くして下さい 」
男性が女性に宛てたラブレタ
ーでした。鉛筆書きでハートマー
クは赤鉛筆。強烈な愛の告白で
はないけれど、フワッとして今の若い人より控えめな感じです。
「北海道」と書いてある、クマの
顔をしたこけしでした。
これは「お便りこけし」「文こ
けし」と呼ばれています。こけし
の中にお手紙を入れ、首から荷
札を付けて切手を貼りポストに
投函。昭和
30
年代に流行した
物だそうです。観光地の土産物
として、手頃な値段で売られて
いました。
こんな可愛いこけしでお手紙
が届いたら、ぜったい嬉しい。愛ら
しさとアイデアに感動します。
買った当時、骨董市の人もこの
仕組みを知りませんでした。「そ
んな小さなこけし、幾らでもいい
よ」と言われ、1本100円で
買いました。
その後
25
年間かけて、全国各
地のお便りこけしを100種類
収集しました。現在はまた新し
い物が復活して、東北や京都な
どで売られているそうです。
●撮影協力 ちらん人形博物館
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