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長くエッセーの講師をやってきた。
自分で書くと別段うまくはないもの
の、人さまの文章にアドバイスする術
だけは身につけてしまった私のこと
を、一人の純情な生徒さんが、「エッセ
ー教の教祖」などと言いだして、ある
日、小さな石の地蔵を贈ってくれた。
「これは教祖を守るお地蔵さんです。
お家に置いてください」と書いた手紙
を添えて。
それから四季折々に菓子が届けら
れた。「お地蔵さんにお供えしてくだ
さい、お地蔵さんに上げるのですか
ら、先生は礼状など下さる必要はあり
ません」という注釈付きで。
分量が多いので私もお相伴して5
年、遅咲きだが豊かな才能を見せてい
たその人は思いもかけない病気で亡
くなってしまった。私は時々形見の石
地蔵を掌に包み、愛しみながら恨みを
言う。「お地蔵様、なぜ彼女にもっと書
く歳月をくださらなかったのですか」
撮影場所/相星さんの自宅
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