2020年度
南日本文学賞は郷土の文芸振興を目的に1973年創設。
鹿児島県在住または出身者などの小説・評論、詩の中から最も優秀な作品に贈られます。
2020年度南日本文学賞決まる
選考委員
選考委員の3氏が候補作の中から受賞作を決めます
又吉 栄喜 (またよし・えいき)
1947年、沖縄県浦添市生まれ。琉球大学を卒業後、浦添市役所に勤めながら小説を書き始め、「ジョージが射殺した猪」で77年度九州芸術祭文学賞最優秀作、80年「ギンネム屋敷」ですばる文学賞、96年「豚の報い」で芥川賞を受賞。「果報は海から」「人骨展示館」「呼び寄せる島」「漁師と歌姫」ほか。著作は英、仏、伊語にも翻訳されている。浦添市在住。
町田 康 (まちだ・こう)
1962年大阪府生まれ。97年に「くっすん大黒」でドゥマゴ文学賞、野間文芸新人賞、2000年「きれぎれ」で芥川賞、02年「権現の踊り子」で川端康成文学賞、05年「告白」で谷崎潤一郎賞など。詩人でもあり、01年に「土間の四十八滝」で萩原朔太郎賞を受賞。パンクバンド「汝、我が民に非ズ」のボーカルとしても活動する。静岡県在住。
三角 みづ紀 (みすみ・みづき)
1981年鹿児島市生まれ。東京造形大学在学中に現代詩手帖賞、2005年第1詩集「オウバアキル」で中原中也賞、06年刊「カナシヤル」で南日本文学賞と歴程新鋭賞。14年「隣人のいない部屋」で萩原朔太郎賞を史上最年少で受賞。朗読や作詞など多彩な表現に取り組み、16年4月から「南日詩壇」選者も務める。北海道在住。
関連記事

南日本文学賞に詩2作品 需水さん「穏やかな日々」うるし山さん「ライトゲージ」 小説は該当作なし

(2021-03-07)
うるし山千尋さん
うるし山千尋さん
需水さん
需水さん
 2020年度南日本文学賞(南日本新聞社主催)の選考会が6日、鹿児島市の南日本新聞社であり、詩部門は、同市の需水(じゅすい)(本名・山之内勉)さん(54)の「穏やかな日々」(15編)と、鹿屋市のうるし山千尋さん(44)の「ライトゲージ」(同)に決まった。同一部門での2作受賞は49回目で初。小説・文芸評論部門は受賞作がなかった。

 本年度は応募資格を鹿児島県在住・出身者とし、過去の受賞者にも応募を呼びかけた。うるし山さんは07年度に続き2度目の受賞。

 選考委員は、芥川賞作家の又吉栄喜、町田康の両氏と詩人の三角みづ紀氏(鹿児島市出身)。小説70編、評論2編、詩32編の計104編から絞られた小説3編、詩3編について討議を重ね、「詩の2作品は共に受賞に値する」と一致した。

 需水さんの詩は「一つのことを凝視してそこから発する光を受けとめている」「魂の奥底から発せられた言葉」、うるし山さんの詩は「音と文章の意味がせめぎ合って歌のよう」「自分の言葉を持ち、読者を不思議な気持ちにさせる力がある」と評価された。

 小説3作品は「例年の水準に達していない」として「該当作なし」に決まった。

 需水さんは「何度も挑戦してきたので感無量。ほっとした」。うるし山さんは「前回の受賞作に納得できず、もう一度挑戦したかった。改めて評価されうれしい」と語った。

 新型コロナウイルスによる感染症拡大を予防するため、昨年度に続き公開選考を取りやめ、非公開で選考した。贈賞式は3月下旬、鹿児島市の南日本新聞会館である。
主催 南日本新聞社