第二の故郷から全国発信 「今こそ感謝の気持ち胸に、元気になれる歌届けたい」

シンガーソングライター 宮井紀行
(2020/04/22 04:30)
 「子どもの頃から憧れていたシンガー・ソングライターとして歌い続けられているのは、鹿児島の皆さんのおかげ。感謝の気持ちを胸に、今こそ多くの人が元気になる歌を届けたい」

 「鹿児島愛」を込め作ってきた数々の曲には、地元の人が思わずクスッと笑うローカルネタや、自らを映す明るいメロディーがあふれている。

 和歌山出身。デビュー20周年を迎えた。8年前から、東京や福岡など全国20カ所以上を巡るツアーを実施してきたが、今年は新型コロナウイルスの影響で中止した。「生活の糧でもあり厳しい。一生懸命仕事を探した」と苦しい現状を話しつつ笑顔は絶やさない。

 1998年、第一工業大学(霧島市)在学中に同級生とフォークユニット「なまず」を結成した。鹿児島市の天文館で開いた路上ライブで人気となり99年、インディーズでCDを発売。2001年には「明日をのせて」でメジャーデビューした。「夢のようなスピード感だった」と振り返る。

ライブで盛り上げる宮井紀行
ライブで盛り上げる宮井紀行
 東京に拠点を移し活動の幅を広げたが、いつしかプロデューサーの意向に沿った曲作りや方向性に違和感を覚えるようになった。05年に解散。「もう一度観客の反応を肌で感じたい」と同年、鹿児島でソロ活動を始めた。

 鹿児島で再出発したのには理由がある。「ここが音楽の原点。地方から全国へ勝負できることを証明し、路上ライブの時から応援してくれたファンに恩返ししたかった」と話す。

 鹿児島ユナイテッドFCの応援歌「維新前進」(15年)や県酒造組合と連携する「焼酎フィーバー」(19年)などアップテンポな曲で地元を鼓舞する。サザンクロスに楽曲提供した「しろくま♡ランデブー」(16年)には「天文館」「中央駅の観覧車」といった言葉をちりばめた。

 ファンクラブ「381(みやい)応援団」とは、ライブのビラ配りを一緒にするほど距離が近く、ワンマンライブも年々拡大。1月には鹿児島アリーナ(鹿児島市)に約2600人を集めた。一方で、離島での小ライブにも力を入れる。三島村・黒島の体育館で子どもやお年寄りが肩を組んで歌う姿を見て「泣きそうなくらいうれしかった」と話す。

 10日から無観客ライブを始めた。動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信(第2、4金曜午後8時)。止まらない自分を示す新たな挑戦だ。「ライブが縁で来鹿する人が増えればいい。鹿児島は一度訪れたら必ずハマる」。コロナ後を見据え拳を固く握り締めた。
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 鹿児島ゆかりのアーティストに地元への思いや新型コロナ禍にある県民へのメッセージを聞きます。

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 みやい・のりゆき 1977年、和歌山生まれ。鹿児島の企業や団体のイメージ曲やCMソングなど数多く手がける。これまで発表したCDはシングル8枚、ミニアルバム2枚、フルアルバム6枚。