情熱注ぐ野外音楽「ヘス」 「音楽は常に進化する。挫折の連続だがその分永遠に成長できる」

トランペッター タブゾンビ 
(2020/09/10 04:30)
タブゾンビ(提供写真)
タブゾンビ(提供写真)
 鹿児島ゆかりのアーティストら約60組が桜島に集結する野外音楽フェス「ザ・グレート・サツマニアン・ヘスティバル」。2日間で3万人超の観客が訪れる一大イベントだ。発起人の一人として2018年の初回から運営に携わり、ステージにも立つ。きゃりーぱみゅぱみゅ、椎名林檎、サンボマスター、ももいろクローバーZ…。これまで出演した豪華アーティストは、共演した縁でオファーしたメンバーも多い。「みんな『鹿児島が好き』と喜んで参加してくれる」と笑顔を見せる。

 10月に3回目を開催する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため中止となった。「残念。でも来年は2年分の準備期間があることになる。すごいフェスになる」と声を弾ませる。幻のグッズとなった今回のイベントTシャツやタオルなどを返礼品にクラウドファンディングを始めたところ、2日で目標額に。ファンの思い入れも深い。

 「ヘス」は「鹿児島から文化を発信したい」と15年ほど前から仲間と構想。16年には、開催準備も兼ねて、鹿児島に縁のある人らをゲストに招くエフエム鹿児島の番組「シーサイドゾンビ」を始めた。鹿児島は交通アクセスの面からメガフェスを開くのは難しいと言われてきたというが、準備を重ね実現。「願いがかなった。いつまでも続けたい」と定着へ情熱を傾ける。

2019年のザ・グレートサツマニアン・ヘスティバルに出演するSOIL&“PIMP”SESSIONS(タブゾンビは写真右、提供)
2019年のザ・グレートサツマニアン・ヘスティバルに出演するSOIL&“PIMP”SESSIONS(タブゾンビは写真右、提供)
 鹿児島市出身。国内外で活躍するジャズバンド「SOIL&“PIMP”SESSIONS(ソイル・アンド・ピンプ・セッションズ)」のトランペッターだ。ロックやパンクの要素を取り込んだ「爆音ジャズ」との呼び名を持つバンド。01年に東京のクラブイベントで知り合ったミュージシャンで結成した。

 活動名の「タブゾンビ」は、ゾンビ映画が好きなことと、敬愛するアメリカのロックシンガー「ロブ・ゾンビ」にあやかった。国内外のアーティストとのコラボのほか、ドラマや映画のサウンドトラック提供など活躍の場を広げている。

 トランペットを始めたのは鹿児島大学付属小学校の吹奏楽部時代。「トランペットはライフワーク。大好きで、進路を考える時もそれ以外考えられなかった」というほど打ち込んだ。「音楽は常に進化している。挫折の連続だが、その分永遠に成長できる」と音楽に対するストイックな姿勢は昔も今も変わらない。

 新型コロナの影響で活動は激減したが「トランペットと向き合う時間は増えた。家族とも過ごせ充実している」。今はレコーディングやネットを活用したライブ、ライブハウス支援に力を入れる。

 ウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」による取材。コロナ禍にある古里へのメッセージを聞くと「皆大変な思いをしていると思うが、自分や自らの課題と向き合う時間だと考え乗り越えてほしい」と力強く答えた。演奏と同じく熱量のある言葉を響かせた。

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 たぶぞんび 本名は椨智紹(たぶ・ともつぐ)。1977年生まれ、鹿児島市出身。2019年、NHK「紅白歌合戦」に椎名林檎のバンドメンバーとして初出演。同年12月にはアルバム「MAN STEALS THE STARS」を発表。