古里へ元気送るライブを 「地元があるということがうれしい。涙が出るほど大事な場所」

歌手 AI
 2021/03/21 04:30
 ソウルフルな低音のハスキーボイスを響かせ聴く者を魅了する。これまで歌ってきたどの曲にも「誰もが仲良くなってほしい」との思いが込められているという。世界各地で猛威を振るう新型コロナウイルスを目の当たりにし、歌に託す願いはさらに深く、強くなった。「希望は絶対にある。大変な思いをしている人たちにも希望を持ってもらいたい」

 デビュー20周年の節目を昨年迎えたが、コロナ禍でライブ活動もままならなかった。外出自粛期間中について「2歳と5歳になる子どものそばにいることができたのはよかったかも」とポジティブに振り返る一方、「どうしようもない気持ちを吹き飛ばす歌やメッセージを何とか届けたい」と活動を模索した。

 昨年4月、自ら撮影した代表曲「ハピネス」「ギフト」を動画投稿サイトユーチューブに配信。「ハピネス」では、カウントダウンTVライブ!ライブ!(MBCなどTBS系列)とコラボし、視聴者から自宅で歌う動画を募った。画面を分割し、大勢の視聴者と一緒に歌っているように編集し配信した。「ハッピーを集めていっぱいにしたかった」と話す。

 1981年、米ロサンゼルス生まれ。小・中学校時代を鹿児島市で過ごし、高校入学と同時に再び渡米した。ロサンゼルスでファーストAME教会のゴスペルコーラス隊に入隊。本場仕込みのボーカルを身につけ、2000年「Cry,just Cry」でデビューした。国内外のアーティストとコラボするなど世界を舞台に活躍している。

 古里鹿児島への“愛”は果てしない。「ずっと方言だったから抜けない」と、ウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」での取材時も鹿児島弁全開。「地元がある、ということがうれしい。自分の帰りを待っていてくれる、涙が出るほど大事な場所。いろんなことに挑戦する力をもらっている」と笑顔を見せる。

 昨秋開催予定だったデビュー20周年の記念ツアー「IT'S ALL ME」は延期を経て2月27日から始まった。「ステージに立った瞬間涙が出てきた」という約1年ぶりのライブ。4月29、30日に鹿児島市の川商ホールでも開く。

ライブで熱唱するAI=2月、東京(©上飯坂一)
ライブで熱唱するAI=2月、東京(©上飯坂一)
 「開催するか長い間悩んだ」という。ファンからは「ライブがなくてつらい」との声を聞いた。「活動を止め続けるわけにもいかない。完璧に対策をしてライブで元気を送る」と決めた。鹿児島版のポスターには「やっとできそう!!久々のライブっっ 楽しみにしててネ がんばるがー鹿児島!」と手書きで添えた。

 今回のライブは声援などを制限した新しい形になるため、「みんなの心の声を聞かせて」と呼び掛ける。「観客の方たちの思いを耳を研ぎ澄ませて聞く。それをさらに歌に乗せて届けたい」。熱く力強く誓った。

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 アイ NHK紅白歌合戦に3回出演し、2017年に第59回日本レコード大賞・優秀作品賞。昨年6月に長渕剛とコラボしたシングル「しゃくなげ色の空」、同11月には「心を開けばみんな同じ人間という存在」とのメッセージを込めた「Not So Different」を発表。