( 6/22 付 )

 満員電車の中でのマナーがなっていない、と同僚がぼやく。スマートフォンの操作を頑としてやめない通勤客のことだ。その手でつり革をつかんでくれたら、もう半歩詰められるのに。

 とりわけ厄介なのが立ったままゲームに熱中する乗客だ。両手がふさがっているから電車の揺れに任せて体を預けてくる。そういう自分も車内がすいてくると、ついスマホに手が伸びる。

 スマホいじりも度を越せば、はた迷惑では済まないということか。スマホやパソコンを使ったオンラインゲームのやり過ぎで生活に支障をきたす依存症が「ゲーム障害」と名付けられ、世界保健機関(WHO)が病気として認定した。

 ゲームをしたい衝動を抑えられなくなり、寝食を忘れる。体を壊そうが、仕事や家事をそっちのけにしようがやめられない。楽しむために始めたゲームに心身をからめ捕られては元も子もなかろう。

 ネットに過度に依存する人は成人で421万人、中高生で51万人に上るとの推計もある。中でもゲーム障害は若い年代に多いという。スマホが身近な存在になった今、取り上げたり叱りつけたりするだけでは解決しそうにない。

 依存症は「否認の病気」と言われる。当人がそれと認識するのが難しいからだ。ゲーム障害と診断される前に家族や友人が気付かせてあげたい。車内の大人たちが予備軍でなければいいがと、少々心配になる。