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 カーナビやスマートフォンの地図アプリは日常生活に欠かせない。宇宙を高速で飛ぶ衛星からの情報が基になる。正確さが何よりだが、衛星の時計は地上とずれが出る。

 その謎はアインシュタインの相対性理論で説明され、速度と重力などが影響している。人間は把握できない程度のずれだが、位置情報では10キロ近い誤差となり、衛星の時計は自動補正されている。相対論の身近な応用例だ。

 時間や質量、重力などの関係を示す相対論はブラックホールの存在も予言していた。科学者は実証を目指し、光も抜け出せない暗黒の星の観測に力を注いできた。相対論発表から100年以上を経て、ついにその姿を捉えた。

 撮影された画像は周囲を取り巻くガスが光を放ち、光の円の中心にぽっかりと黒い穴が開いていた。地球から5500万光年も離れた天体は、まさに想像上の姿と同じだった。

 観測計画も壮大だった。日本などが運用する南米のアルマ望遠鏡など世界各地の電波望遠鏡をつなぎ、地球規模の観測網をつくり上げた。200人以上の科学者が10年越しで実現した。

 アインシュタインのノーベル賞受賞は相対論への評価ではなかった。革新的すぎたことやユダヤ人への差別もあったと言われる。1世紀を経て、国や民族を超えた力の結集で相対論の正しさがまた証明された。アインシュタインのしたり顔が浮かんでくるようだ。