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 野球のユニホームを着た選手らが、タブレット端末を熱心にのぞき込んでいる。昨年末から鹿屋体育大学では、そんな光景が見られるようになった。

 映っているのは徳之島高校野球部の練習の一場面だ。高校側が撮影して送ってきた動画を鹿屋体大の野球部員がチェックし、動画に直接アドバイスを書き込んで返信する。まさに“海越え”の技術指導である。

 例えば、投手や打者の肘、膝の角度に修正が必要ならば、望ましい角度を画像の上に線で描き、改善点を書き添える。電話やメールでは分かりづらいことが、動画なら理解されやすいはずである。デジタル時代ならではの指導法と言えるだろう。

 本土に比べ、練習環境に恵まれない離島の高校生を支援するのが目的だが、メリットは大学生にもある。3年生の塚田健哉さんは「知らないことを聞かれたら、調べて返信する。自分たちも勉強になる」。野球の指導者を目指す学生にとって、効果的な教え方を学ぶ機会にもなっている。

 今後、ほかの離島での運用も検討する。指導者が足りず、練習方法の情報が少ない高校生にとって、スポーツ研究の拠点である鹿屋体大の専門的な指導は頼もしいに違いない。

 離島のハンディを少しでも解消するために、インターネットは有効な手段となっている。野球だけでなく、さまざまな競技で離島勢の活躍を後押しする活用に期待が高まる。