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 秋限定と銘打ったビールが店頭に並び始めた。暑さが一段落して冷え込む需要を刺激しようと29年前に登場した。今では銘柄も増え、すっかり季節商品として親しまれている。

 ビール会社のホームページによると、商品開発には食欲の秋を意識し、アルコール度数は高めで、食事に合う味わいにしたという。早速買い込んで2週間たつが、一向に缶を開ける機会がない。つまみに最適な“秋の味覚”がなかなか手に入らないからだ。

 深刻な不漁でサンマの値段が高騰している。先日、都内のスーパーをのぞくと北海道産に1匹390円の値が付いていた。しかも小ぶりで、とても買う気にはならなかった。

 北海道から千葉県沖にかけての漁場への回遊量が減り、今年の水揚げは過去最低だった昨年を下回る見通しだ。外国船による乱獲や海水温の上昇、同じ餌を食べるマイワシの増加が原因に挙げられている。

 数年来の不漁を受け、中国や台湾などと資源管理を協議してきたが、新型コロナの影響で今年の会合は延期された。効果的な対策を打ち出せなければ、庶民の味はますます遠い存在になりかねない。

 総菜売り場に出回っている冷凍物さえ、そのうち品薄に陥る恐れがあるという。さて奮発して生サンマを味わうか、手ごろな冷凍物で我慢するか。悩まなければならないのが恨めしい。限定ビールが、ひときわ苦く感じられそうだ。