( 9/7 付 )

 7月の鹿児島県知事選で出口調査を担当し、期日前投票を済ませた人に声を掛けた。最初のチェック項目は性別である。「男性ですね」「女性に丸しますね」。一人一人確認し、設問に答えてもらう。

 調査を進めながら内心もやもやが募った。心と体の性が異なる人や、自分の性が男女どちらでもないと感じている人はいないだろうか。外見だけで判断していることに違和感が拭えなかった。

 性的少数者への配慮を求める声が高まっている。指宿市は来年度、同性カップルを夫婦に相当するパートナーとして公認する制度を取り入れる方針だ。県内自治体では初めて。互いを人生のパートナーとする宣誓書を市に提出すれば、受領証が発行される。

 法的効力はないが、当事者にとっての意義は大きい。豊留悦男市長は今回「生き方として認める、人を尊重する、との観点から必要な制度と判断した」と話した。

 鹿児島市は昨年度から、一部の公文書の性別欄を削除または任意記入にした。文具メーカーにも性別欄のない履歴書を作る動きがある。1万筆の署名が後押しした。自らの性に悩む人が不当な扱いを受けないよう配慮するのは時代の流れに違いない。

 指宿の制度は男女の事実婚カップルなども対象に含む。「結婚すべきだ」と決めつけない姿勢は、さまざまな理由を抱え、旧来の制度に縛られたくない2人にとっても朗報だろう。