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 県勢、市勢と言うと何か勢いを表しているようだが、人口や産業などの状態を指す。国勢調査も同じである。100年前の1920(大正9)年に1回目が実施され、今年は5年に1度の調査の年に当たる。

 当時の衆議院と貴族院が決議した「国勢調査ニ関スル建議」には「全国ノ情勢」を見るとある。国の政策を決めるには国民の年齢構成や世帯数、職業などを正確に調べる必要があったに違いない。

 100年前の鹿児島県の人口は141万人だった。200万人を超えた頃もあったが、現在159万人に減っている。このままだと1世紀前の人口に戻るのは時間の問題だろう。

 地方は特に深刻である。鹿屋市の広報9月号によると人口は10万886人。5年前の調査を基に、人口の増減を足し引きして推計している。大台を割り込めば、10万人を超す県内の自治体は鹿児島、霧島両市だけになる。

 調査票の配布があす始まる。コロナ下で行われるため、インターネットでの回答が推奨されているが、無理なら郵送や対面回収でも応じるという。調査員を装い個人情報を聞き出す「かたり調査」には注意したい。

 結果は福祉や防災など幅広い分野で活用される。100年前は若い世代が多く、人口構成はちょうどピラミッドの形をしていた。人口減少に加え、その形も大きく崩れた今、国や県の「勢い」を取り戻すための調査でもある。