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 海面を突き破るように飛び出した巨大生物が大きな口を開けヘリコプターに迫る-。2年前に公開され、世界中でヒットした映画「ジュラシック・ワールド 炎の王国」のワンシーンだ。

 遺伝子工学でよみがえった恐竜たちがスクリーン狭しと暴れ回る人気SF映画の続編。巨大生物は恐竜だとばかり思い込んでいたが、モササウルス類と呼ばれる海にすむトカゲの仲間だった。

 「海の王者」とも称されるモササウルス類が、甑島の近海にも生息していたらしい。薩摩川内市鹿島地区の約8000万年前の地層から歯の化石が県内で初めて見つかった。もともと陸にすんでいたトカゲが海で暮らすようになり、体は流線形に大型化していったという。

 海生(かいせい)ワニ類の歯の化石も出てきた。こちらは全国で2例目の貴重な発見である。歯は獲物を逃さないよう内側にカーブしている。トカゲとワニが海で激しくしのぎを削る場面を想像した。

 恐竜の化石が多い中国やモンゴルには海の地層がない。一方、甑島では4年前、陸にすむ草食恐竜ハドロサウルスの仲間とみられる化石も見つかっている。海と陸での進化など研究が進めば、「古代生物の王国」の姿が見えてくるかもしれない。

 新たな化石はきょうから市役所鹿島支所で一般公開される。復元模型も一緒に並ぶそうだ。夢とロマンをかき立てる“ジュラシック・ワールド”を訪ねてみたい。