( 9/21 付 )

 電話の向こうで、張りのある声が弾んでいる。生き生きとした表情が伝わる。鹿児島市の騎射場電停近く、鴨池日枝神社の宮司を務める上野隼人さん。昭和8年生まれの87歳である。

 来歴を聞いて驚いた。旧牧園町役場を定年退職後、周囲に勧める人がいて一から神職の修行を積んだ。第二の人生を歩み始めて既に30年近い。「人生100年」のお手本と言える。

 きょうは敬老の日。厚生労働省の集計で100歳以上の人口が初めて8万人を超えた。年間の伸び幅も過去最大となる。2015年に6万人を突破し、昨年7万人を上回ったばかりだった。

 鹿児島県内では1744人を数える。きょうの本紙は、100歳を迎える人たちの日常を紹介している。菜園の草取りに励み、自炊を続け、新聞に目を通し、足踏み体操500回を日課に…。

 そんな健やかな暮らしには共通点がある。明るさ。ユーモア。好奇心。おしゃべり好き。50代で夫に先立たれた女性は「大変な時もあったが、今は幸せ」と語る。多難な日々の中に喜びや楽しみを見いだしていく「幸せ上手」も、長寿の秘訣(ひけつ)に違いない。

 宮司の上野さんには、本紙「黒ヂョカ」のネタを頂いた。カラカラ笑いながら話す様子に、今なお現役でいられる理由があるように思えた。最後に「いつかお茶でもどうです」と誘われた。長い長い第二の人生の過ごし方を相談してみようか。