( 10/20 付 )

 「朝ご飯は食べましたか」と聞かれて、パンを食べたのに「ご飯(米)は食べていません」と答える。質問に正面から答えないことを「ご飯論法」と呼ぶ。森友、加計問題で野党の追及をかわそうとする前首相の答弁がこうやゆされた。

 最近、「チャーハン論法」なる言葉も目にした。「エビチャーハンを作っていたのを卵チャーハンに変えましたよね」という質問に、「同じシェフが作っており、その点において何ら変わりはない」と答えることらしい。

 ご飯論法を有名にした法政大の上西充子教授が名付け親だ。日本学術会議の推薦候補6人の任命を菅義偉首相が拒否した問題で、過去の政府見解に食い違いはないとする加藤勝信官房長官の説明をこう例えて批判した。

 政府は1983年の国会で「形だけの任命」と答弁しながら、先日「推薦通りに任命する義務はない」とする2018年の内部文書を公表。「エビ」を「卵」に変えても「同じチャーハンだ」と言わんばかりである。

 自民党は学術会議の在り方を検討するプロジェクトチームを設置するなど、任命拒否の理由を置き去りにしたまま、組織の見直しに熱心だ。「仕事師内閣」は、政策実行の速さが売りのようだが、これでは拙速の言葉がふさわしい。

 世論調査では、首相の説明は不十分と感じる人が7割を超えた。説明不足の体質まで前政権を継承するつもりなのか。