( 10/25 付 )

 錦江湾高校、霧島錦江湾国立公園、錦江湾サマーナイト花火と、鹿児島湾は別名の錦江湾と呼ばれることが多い。由来は初代薩摩藩主、島津家久が姶良市加治木の日木山川河口で詠んだ和歌とされる。

 <浪(なみ)のおりかくる錦は磯山の梢(こずえ)にさらす花の色かな>。海に映る花々が錦の文様を描く-。四季折々にさまざまな表情を見せる海の美しさは今も変わらない。

 そんな錦江湾をもっと観光で盛り上げようと、民間の「環錦江湾観光連絡会議」が発足した。コロナ禍で当面、大型クルーズ船の観光客は当てにできない。であれば、改めて魅力を探って全国に発信しようというわけだ。

 先日の初会合では湾沿いの人たちが地域の資源について意見を交わした。発起人で鹿屋市の観光施設代表、郷原茂樹さんは「身近な湾を生かして、できることから始めたい」と話す。県や湾岸の自治体、観光関係者らと勉強会を重ね、観光ルートの開拓を目指す。

 秋の行楽シーズンに入り、県外ナンバーのバイクが盛んに湾沿いの国道を行き交っている。豊かな自然や、桜島と穏やかな海が織りなす景観、個性に満ちあふれた地域がある。県外客の目にどう映っているのか。

 そうした人々の声を、誘客の仕掛けづくりに取り入れていくことも必要だろう。錦江湾の魅力が深みを増し、これまで気づかなかった地域づくりのヒントが掘り起こされるかもしれない。