( 10/26 付 )

 バトルとは戦闘や争いのこと。物騒な言葉だが、スポーツやゲームで用いるとずいぶん印象が違う。ビブリオバトルも、そんな新語の一つだろう。

 ラテン語で本を意味するビブリオに、ゲームの要素を加えた「知的書評合戦」のことだ。十数年前に京都大学の研究室で考案され、今では地域の小さな集まりから学生の全国大会まで裾野が広がっている。

 ルールは簡単。好きな本を持ち寄り、まず1人5分間で紹介し合う。数分の質疑応答後、参加者全員が一番読みたくなった本に投票し、「チャンプ本」を決める。読書の幅を広げるだけでなく、対話能力も身に付くとして学校現場での活用も盛んだ。

 奄美市の大島高校では8年前から校内大会を開いている。生徒たちは朝のホームルームの時間に集中して読み込む。バトルを勝ち抜いた代表が県大会に出場し、昨年まで3年連続で優勝者を出す活躍を見せている。

 昨年に続き県大会に出場する2年の畑友一朗(はたゆういちろう)さんは「本を薦めるのは楽しい。友達の輪が広がり、さらにいろんな本を知ることができる」と魅力を語る。同世代の発表に刺激を受け、興味のなかった社会科学や哲学の本も手に取るようになったという。

 あすから始まる読書週間の標語は「ラストページまで駆け抜けて」。伴走者がいれば、足取りも軽やかになるだろう。本の魅力を語り合える仲間づくりが完走の一歩になる。