( 10/28 付 )

 「自転車でサクイチやってみる?」と尋ねる父に、「うん」と快諾した小学2年生の娘-。こんなやり取りが先月の本紙ひろば欄で紹介されていた。

 父親の投稿から、サクイチが桜島一周の略で、自転車愛好者にはなじみの言葉と教わった。女の子はアップダウンが続くコースに両親とともに挑み、見事に約34キロを完走したそうだ。親子で駆け抜けた海沿いの道は最高だったに違いない。

 さて、こちらはあきれた自転車乗りである。埼玉県警はおととい、全国で初めてあおり運転を自転車に適用し、道交法違反容疑で男を逮捕した。すれ違う車の前に故意に飛び出していたという。けが人がなかったとはいえ、危険極まりない。

 そんな無謀な運転をする人はめったにいないだろうが、日ごろ、ひやりとする場面を見掛けることは少なくない。実際、信号無視など違反行為の摘発件数は昨年初めて全国で2万件を超え、増加傾向にあるそうだ。

 自転車は環境に優しく、健康にも良いと注目が集まる。だが、免許も要らず気軽に乗れても法律上は「軽車両」で、携帯電話のながら運転などは法令で禁じられている。

 サクイチの親子はフェリーから桜島に降り立った後、公道の走り方や注意点を改めて確認してから出発したという。懸命にペダルをこいだり、景観を楽しんだりと緩急自在の魅力は、ルールとマナーを守ってこそ存分に味わえる。