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 アルファベット順で各国が登壇し、Uのウルグアイは最後だった。2012年の国連「持続可能な開発会議」で当時の大統領ホセ・ムヒカさんの演説は、多くの首脳が去り閑散とする中で始まった。

 「貧乏な人とはいくらモノがあっても満足しない人」。大量消費社会を痛烈に批判した。無難な演説に終始した他国にも「本音は何なのか。裕福な国の発展と消費モデルをまねすることか」と切り込んだ。

 ムヒカさんの名を世界に広めた演説から3年後、国連サミットで採択されたのが「持続可能な開発目標」だ。英語の頭文字を取り「SDGs(エスディージーズ)」と呼ばれる。貧困や飢餓など17分野の課題を17色で示したシンボルマークのバッジを胸に着けている人をよく見かける。

 鹿児島でもすでに取り組みが始まっている。鹿児島市の吉野東中学校は給食の食べ残しゼロに努める。食品ロスを学び、動物の命や生産者へ感謝の気持ちも芽生えたという。

 ごみリサイクルも代表的なSDGsだ。大崎町衛生自治会は分別や再資源化にとどまらず、収集日を高齢者の安否確認や情報交換の場に活用している。これも「住み続けられるまちづくり」の一例である。

 清貧な暮らしぶりで「世界で最も貧しい大統領」と言われたムヒカさんは先日、政界引退を表明した。「消費するために働く人生が幸福か」。その言葉はSDGsが目指すべき姿を教えてくれる。