( 11/3 付 )

 漫画「鬼滅の刃」の劇場版映画の興行収入が公開からわずか10日間で100億円を突破した。これまで最速だった宮崎駿監督のアニメ映画「千と千尋の神隠し」が持つ記録25日間をあっさりと破った。

 新型コロナウイルス下の「規格外の掛け算」が大ヒットの背景にあると見る向きがある。漫画やインターネット動画配信が幅広い層に浸透したタイミングで映画が封切られ、ハリウッド大作の相次ぐ公開延期も後押ししたというわけだ。

 スマホやパソコンではなく、大スクリーンで映画を見たいと渇望していた人が押し寄せているという見方もできないか。オンライン鑑賞も悪くはないが、映画館の迫力ある映像と音は捨て難い。

 鹿児島県が行ったアンケート調査で、コロナ禍が草の根の文化芸術活動に深刻な影響を与えている実態が浮き彫りになった。3~6月に予定されていた発表の9割近くが中止や延期を余儀なくされたという。

 本紙「みなみのカレンダー」に掲載されるイベント情報は徐々に増えてきているが、音楽や舞台公演はまだまだ少ない。生のステージを堪能できない状況が長く続けば、ボディーブローのように心にダメージを与えるだろう。

 「アーティストは生命維持に必要不可欠な存在」。ドイツの文化相はこう言ってコロナ禍にあえぐ彼らの生活を守ることを約束した。文化の日に改めてかみしめたい言葉である。