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 新型コロナウイルス対策で夜間の移動が原則禁止されているイタリアで、5歳のトッマーソ君はクリスマスが心配になったらしい。コンテ首相にメールし、サンタクロースの外出を禁止しないようにお願いした。

 機転の利いた首相の返答がいい。「サンタさんには特別な申請書がある」から、国境さえ越えて飛び回れることを伝えたという。このやりとりが報じられて安心した子どもは、世界中にいるに違いない。

 イタリアは今年3月、爆発的な感染拡大で医療現場がパンクし、全土の都市封鎖に追い込まれた。状況が落ち着いた5月以降、徐々に規制を緩めて経済活動との両立を図ってきたが、冬場になって再び感染者が急激に増えている。

 1日の感染判明者が4万人を超えるなど、状況は極めて厳しい。欧州のほかの国々も似通った局面になっている。外出制限などの措置を打ち出す国が相次ぐのはやむを得まい。

 日本は今月に入って1日の新規感染者が1000人を超える日が珍しくない。欧州と比べて少ないからと楽観するのは禁物だろう。いつ急増に転じてもおかしくなく、東京都や北海道など警戒レベルを上げる自治体も出ている。

 トッマーソ君はサンタさんに新型コロナがなくなるようお願いするという。今、世界の多くの人が共有する祈りである。子どもが欲しいおもちゃを無邪気にねだれる日常の尊さを思わずにいられない。