( 12/9 付 )

 日本三景や三大行事、三羽がらすなど、ものごとを三でまとめると据わりがいい。新型コロナウイルス対策の「3密」もそうだ。今年の新語・流行語の年間大賞に選ばれたのは納得できよう。

 とはいえ、なじみやすい一方で、具体的な中身を忘れがちだといった声もある。密集した人混み、換気の悪い密閉空間、密接して会話する環境-。感染リスクを下げるために避けるべき三つの密である。

 政府の専門家会議が感染拡大につながりやすい状況として指摘した。当初はあまり広がらなかったが、小池百合子東京都知事が報道陣に「密です」と連呼して話題になり、その後、頻繁に耳にするようになったのはコロナへの危機感が高まったからだろう。

 アベノマスクやアマビエなど、新型コロナに関する言葉が大賞候補30語の半数を占めたのは社会に与えた影響の大きさを示している。テレワークやステイホーム、新しい生活様式は定着しつつある。自粛警察といった不穏な言葉も登場した。

 英国では「ロックダウン(都市封鎖)」が今年を総括する言葉として流行語大賞になった。ここでも上位10語の過半数がコロナ関連とは、パンデミック(世界的大流行)の猛威を思い知らされる。

 最初の発症例が中国で確認されたとされる日から1年が過ぎた。流行語の中には廃れる言葉が少なくない。「3密って何?」と聞かれる日もきっと来る。